AI時代に輝く「読める個性」を企業がスカウト!手書き文字が資産となる前例なき公募展、東京都美術館で開催

東京ウォーカー(全国版)

わよう書道会は、2025年8月6日から12日(火)まで、東京都台東区の東京都美術館にて、「第13回おもしろい書展」および「#ペン字コンテスト6」を開催している。

本展最大の特徴は、企業が出品作品を自社サービスへ採用する「採用型審査」を導入している点だ。AIやスマートフォンの普及により均質なフォントがあふれる現在、「誰もが読める個性的な手書き文字」には新たな商業的価値が見出されている。

展示作品は約220点におよび、全応募作品を展示。会場では、企業担当者が直接クリエイターをスカウトするビジネスマッチングの場としても機能する。入場料は10円で、手書き文字の新たな可能性を誰もが気軽に体感できる場となっている。

2025年8月6日から12日(火)まで開催されている「第13回おもしろい書展」および「#ペン字コンテスト6」


なぜ今、「読める個性」なのか?手書き文字を企業の資産に変える「採用型審査」

わよう書道会は、古文や漢文のように一般の人が読み書きできない書体や、パソコンフォントと区別がつきにくい整った楷書の実用性が現代社会では低下していると指摘する。そのうえで、「機能性を伴った個性(機能美)」という新しい価値を手書き文字に見出し、デザイン資産として活用する可能性を探っている。

そこで本展では、参加企業やデザイン会社が審査員となり、自社のサービスで採用したい作品を直接スカウトする「採用型審査」を導入。クリエイターの才能をビジネスにつなげ、手書き文字を“アート作品”から企業の“デザイン資産”へと昇華させることを目指している。

2024年には文化放送が「採用型審査」に参加しており、今年はデザイン会社の株式会社プラグが新たに審査に加わる。今後は応募作品データをもとに、企業のニーズに応える「手書き文字の営業代行」としての役割も視野にいれている。

【写真】おもしろい書展、2024年のトップ賞。82歳での受賞!


文化庁後援「第13回おもしろい書展」

本展は、「うまい」よりも「おもしろい」を評価軸に据えた公募展で、すべての応募作品が展示対象となる。来場者のみならず、審査企業の担当者も新たな才能との出会いを求めて会場を訪れる。

全員が主役の「#ペン字コンテスト6」

「#ペン字コンテスト6」は「公募展の甲子園」とも呼ばれ、東京都美術館のメインフロアに全応募者の作品が展示される。返送料込みで3600円という出品料に加え、コニシ株式会社や三菱鉛筆株式会社による参加賞が用意されており、創作へのハードルが大きく下げられている。2024年に続き、文化放送による「採用型審査」も実施される予定だ。

#ペン字コンテスト6


新規企画!Z世代の“好き”をカタチに。「スクバデココレクション2026」の募集を開始

さらに新規企画として、高校生の自己表現文化「デコ」をテーマにした「スクバデココレクション2026」の募集も開始されている。Z世代の“好き”を文化として捉え、未来の表現者を育てる場となることが期待される。

スクバデココレクション2026告知


開催概要

イベント名:「第13回おもしろい書展」「#ペン字コンテスト6」作品展
日程:2025年8月6日~12日(火)
時間:9時30分~17時30分(最終入場は17時まで、最終日は15時閉場)
会場:東京都美術館 ロビー階 第2公募展示室(東京都台東区上野公園8-36)
入場料:10円
主催:わよう書道会
後援:文化庁(おもしろい書展)

今回のイベントについて、担当者に話を聞いてみた。

ーー今回のイベントの狙いは?
今回のイベントの狙いは、AIやPCフォントの普及によって実用価値が問われている「手書き文字」に、“読める個性”という新たな価値を見出し、商業的な販路を切り開くことで、手書き文字文化を未来に残していくことです。単なる作品展示にとどまらず、クリエイターと企業が出会い、コラボレーションやビジネスチャンスを生み出すプラットフォームとなることを目指しています。

ターゲットとしては、アートファンや書道愛好家のみならず、新たなデザインアセットや独自性のあるブランディング手法を求めている企業の商品開発担当者やデザイナー、広告代理店の方に、未知の才能や表現との出会いの場として活用していただきたいと考えています。

ーーイベントのイチオシは?
イチオシは、手書き文字を企業のサービスに採用してもらう「採用型審査」というビジネスモデルそのものです。書道展覧会を、クリエイターにとっては「才能が売れる見本市」に、企業にとっては「ユニークなデザイン資産の調達の場」へと変える、業界でも前例のない試みです。文化放送様に続きデザイン会社プラグ様が参加されたことで、この動きが本格化している点にご注目ください。

ーーアイデアはどのようにして生まれた?
今回のアイデアは、「書道団体のポスターですら、読みにくいという理由で筆文字が使われない」「美しい楷書はPCフォントで十分」という現状に対する業界の矛盾や危機感から生まれました。スマートフォンが普及し、手書きが減少するなかで、今あらためて「手書き文字」の存在意義とは何かを考えた結果、均質化されたフォントにはない「個性の価値」を商業的に活かす「採用型審査」のアイデアにいたりました。

実現にあたって苦労した点は、企業の方々に「手書き文字をビジネス資産として評価する」という新しい価値観を理解していただくことでした。そこで単なる依頼ではなく、約200点もの多様な作品から自由に選べるコンペ形式のメリットを強調し、提案を重ねました。実際に文化放送様での採用実績が生まれたことで、ほか企業の方にも関心を持っていただく大きな突破口となりました。

ーーユーザーへのメッセージは?
クリエイターの皆様には、「あなたにしか書けない文字」には想像以上の価値が眠っていることをお伝えしたいです。その手書き文字が、有名企業のロゴや広告コピーに採用される可能性も広がっています。私たちの公募展は、そうした夢を現実に変えるステージです。ぜひご自身の個性を表現し、新たな可能性に挑戦してください。

企業の皆様には、AIでは決して生み出せない“人間味あふれる個性的な文字”こそ、顧客の心に響く強力なブランディング資産になると考えています。会場に足を運んでいただき、未来のデザイン資産となる才能をその目で見つけていただければ幸いです。わよう書道会が、クリエイターと企業の架け橋となり、全力でサポートいたします。

個性ある手書き文字に、新たな商機と価値を見いだす本公募展。文字を書くことの意味を再発見するきっかけとして、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

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