スタンリーじいさんとアルフレッドじいさんは、家が隣同士の幼なじみ。色の好みも趣味の好みも女性の好みまで似ているのに、なぜか意見は一致せずケンカが絶えずにこの歳まできた腐れ縁だ。「ジジイにジジイと言われる筋合いはねぇ!」「一体どこの小学校出てんだ!」「てめぇと同じとこだよ!!」と毎日飽きもせず元気にケンカをしていた。
この話を描いたのは、2017年に読切漫画「ハッピー・モーニング」が「月刊コミックゼノン」(コアミックス)に掲載され、商業デビューを果たした漫画家・三堂マツリ(
@mido_mads
)さん。今回は「スタンリーじいさんとアルフレッドじいさん」という作品について話を聞いてみた。
老いても続く犬猿の仲――三堂マツリが描く頑固じいさん2人の“日常”
ある日、いつものように言い合いを繰り広げたスタンリーじいさんとアルフレッドじいさんは、「とっととくたばりやがれ!」「お前の棺桶蹴っ飛ばした後でな!」という強烈な捨て台詞を交わして別れる。翌朝、孫たちに「スタンリーおじいちゃん!!大変!早く来て!!」と呼ばれ、次のシーンでは、棺とスタンリーじいさんが涙するシーン。まさか、アルフレッドじいさんが!?と思ったら、亡くなったのは2人の初恋の女優さんで、スタンリーじいさんはその葬儀映像を見て泣いていたのである。2人で好きだった女優さんに思いを馳せながら、昔を懐かしみ、珍しく穏やかに語り合うも、結局は意見が食い違い、いつも通り大喧嘩に戻ってしまうのだった。
本作「スタンリーじいさんとアルフレッドじいさん」の物語後半では、ページをめくる前に予想を促すような展開が待っている。作者の三堂マツリさんは「人生でいろいろなことを経験したであろう彼らの、あくまでも“日常の1ページ”を切り取ってあのラストにしました。相手にひどいことを言ってしまった結果がどうなったのか…?ページをめくる前に一呼吸置いて予想していただけるとうれしいです」と語った。
物語が生まれた背景について、三堂マツリさんに伺ったところ、「いわゆる “犬猿の仲”といった関係性が好きなのですが、もし年を重ねてもそんな関係が続いていたらどんなやりとりをするのだろうと思ったのがきっかけです」と、制作秘話について教えてくれた。
短編読切を中心に不定期でSNSにアップしていく予定だという三堂マツリさん。今後の作品も楽しみである。
取材協力:三堂マツリ(@mido_mads)
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