譲渡会で出会ったボサボサの毛玉だらけの子猫。噛み癖がひどく、里親が見つからないまま、単身者でもよいという条件に緩めてもらい引き取られることになった。筆坊と名付けられたその黒猫は、あまりにも素っ気ない塩対応だ。野生を忘れて懐く様子はなく、いまだ狩りの練習に余念がない。
Xで連載中の「筆坊日記」(@720yushin)さんの漫画「うちの猫は様子がおかしい。」を紹介するとともに、創作のきっかけや筆坊について話を聞いた。
ツンばかりでデレがない、軍人みたいな猫
懐かない猫、筆坊の普段の様子で特徴的なのは「ご飯の催促をしない」ことだ。ご飯を置いても気づかず、少ししてから「お?ある」という風情でつつく。これは「飼い主がくれた」のではなく「自分が見つけた」と思っている節があると漫画に描かれている。
また、筆坊はヒゲが正面から見えない。通常仕様でヒゲを後ろ側に収納しているらしい。ネットで調べると、猫のヒゲが後ろ側になるのは「恐怖」や「警戒」を示すと書かれている。無理やりヒゲを戻そうとすると、噛みついてくるが、おもちゃを差し出すとヒゲがピキーンと前に戻ることがわかったそうだ。
寂しさから始まった漫画
筆坊との出会いについて、作者は「譲渡会で見かけたボサボサの毛玉が筆坊でした。怪我をしてスーパーの裏にいるところを保護されたそうです。噛み癖が激しく、子猫なのになかなか里親が決まりませんでした。今は1歳半です」と語る。
「筆坊日記」を描こうと思ったきっかけは、あまりの塩対応に寂しさと戸惑いを何かにぶつけたくて描き始めたそうだ。「人間にゴロゴロすりすりしたり、そばで溶けるように眠ったりしている猫の動画を見るたび、なんでよそはこんなに懐いてるんだー!と悶えてます」と話す。
懐かない筆坊だが、その性格は「甘えない、撫でさせない、よく噛む、狩りの練習に余念がない。厳しい軍人みたいです」とのこと。寝起きだけは子猫に戻って吸い癖が出るそうで、もしかしたら早くに母猫と離れたためかもしれないと語る。
筆坊の「愛らしい顔立ちではないけど動きとかがとぼけててかわいいので、なるべく再現できるようにしています」という作者。筆坊との生活で「笑うことが多くなった」そうだ。懐かれなくても、筆坊を愛おしむ気持ちが漫画を通して伝わってくる。
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取材協力:筆坊日記(720yushin)
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