昨今、東京で大ブームを巻き起こしている真鯛ラーメン。その波は今や全国各地へと広がっている。そんな中、茨城・水戸にも真鯛スープに一工夫を加えたオリジナルラーメンが登場し、人気を集めている。
1日20杯限定の鮮魚(鯛)ラーメン
2017年5月に水戸市吉沢町にオープンした「麺処 学」。店主の田中和毅さんは、「麺処 まるわ」(千葉市)をはじめ、北海道や茨城の名店を渡り歩き、満を持して独立を果たした“スーパールーキー”だ。
高級地鶏を使った無化調スープのらぁめん(醤油・塩)が基本メニューだが、注目は1日20杯限定の鮮魚(鯛)ラーメン。
スープの主役となるのは、茨城・那珂湊の市場で仕入れる鮮度抜群の真鯛。鮮魚スープと聞くと、生臭さを懸念する人もいると思うが、心配無用。一度下茹でしてからバーナーで香ばしく炙ることで、臭みは一切ない。さらに真鯛のアラだけでなく、アサリも使うことで貝の旨味も溶け出し、上品で奥深いスープを作り出している。
無濾過白醤油が真鯛の旨味を引き立てる
味は醤油・塩も選べるが、店主の一押しは無濾過白醤油。愛知県碧南市の「七福醸造」の無濾過・無調整・非加熱の高級白醤油を用い、真鯛スープに自然な甘味と豊かな香りをプラス。スープをひと口飲めば、その繊細でまろやかな味わいにうっとりさせられる。また、仕上げに添えられた鶏節がスープに溶け出し、ほどよいコクも感じられる。
麺は中細ストレート。全粒粉が配合されていて風味豊かで、加水率が高く、スープによくなじむ。「小さなお子さまやお年寄りでも安心して食べてほしい」との思いから、かん水を最小限に抑えているのもこだわりだ。
ほぐし身を入れると“真鯛度”がアップ!
具はスープにのったアサリと鶏節以外は、別皿で供される。鶏チャーシュー、根昆布の千切り、ヒメダケ、カイワレなどで、トロロ昆布をスープに浸すとより和の味になり、真鯛のほぐし身を入れるとより鯛の風味がアップする。
食べ進めるうちにいろいろと味が変化していくので、最後の一滴までスープを飲み干したくなる。何より、これだけ豪華なのに800円という値段に脱帽。
「コストと手間がかかるので、1日20杯が限界です」と店主の田中さん。日によっては昼の営業で売り切れてしまうことがあるので、確実に食べたい人は早めの時間を狙おう!【ラーメンウォーカー編集部】
河合哲治郎