ちまたで広がる“女子JAZZ人気” 専門書の登場でブームが加速

東京ウォーカー(全国版)

ちまたでジワジワとジャズ人気が広がる中、最近では女子の間でもジャズCDが売れ始めている。難解な音楽、歴史的背景を知らないなどの理由で、敷居の高さを感じさせている“ジャズ”だが、女子向けの専門書が発売されたのを機に“女子JAZZ”が盛り上がりを見せているという。

昔から、大御所アーティストによる“小難しい音楽”のイメージが先行していたジャズだが、現在はピアノがガンガン鳴る「アゲ系ジャズ」や「クラブ・ジャズ」など、“盛り上がれるジャズ”が増えて敷居が下がり、一般に広まり始めているという。また、「ディズニー・ジャズ」「ジブリ・ジャズ」といった、ライトなイメージの“カバーもの”が出回っていることで、若者ファンも増えているのだ。

今年1月には、本のジャンルとしては初めての“女性向けのジャズ本” 『Something Jazzy〜女子のための新しいジャズ・ガイド』(ジャズ・ライター島田奈央子著)が登場。同書は、「暑くてたまらない夏に聴く」「恋がうまくいっているときに聴く」など“シーン別の気分”を切り口に、「女子の素敵な日常のスパイスになるように」と、クラブジャズ・ジャズ・ボサノヴァ・ジャジーなものを紹介している。

それを受け、大手CD販売店「タワーレコード」では、同書とコラボレーションして全国のショップ内で“女子JAZZコーナー”を展開。「ジャズってどこから手をつけて良いか分からない」という女性がCDを選びやすいようにと、「寒い冬にはノラ・ジョーンズの〜」「雨の日にはジェイミー・カラムの〜」など同書の言葉を引用したPOPを散りばめ、本とともに販売している。

「今年は“女子JAZZ元年”と言われるほどで、この本をきっかけに、女性の中でジャズ人気が広がっているんですよ」とは同社広報。このようなガイド本が今までになかった珍しさもあり、ジャズに興味を持つ20代中頃〜40代前半の“女子”が、同コーナーには多く訪れているという。ちなみに、現在同社にて女子JAZZをテーマに展開しているジャズCDの売り上げは、本の発売前に比べ、140%〜180%上昇。各店舗ともに、ジャズ・ジャンル全体でも前年売り上げを超えている。本がきっかけとなった“女子JAZZ”の盛り上がりは、数字にも如実に表れているようだ。

“あげ系”や“カバーもの”など、とっつきやすさのあるジャズCDの増加に加えて、ガイド本や女子向けコーナーまで用意され、注目が集まる“女子JAZZ”の世界。その扉が開いているとなれば、これはもう飛び込むしかない!? 敬遠していた人もまずはブームに乗って、肩肘張らずに聴いてみては?【東京ウォーカー】

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