昨年は「国宝 阿修羅展」が人気となるなど、仏像ブームが巻き起こった。さらに今年は、平城遷都1300年を迎えるアニバーサリーイヤーということもあり、まだまだ仏像ブームは盛り上がりを見せそうだ。そんな中、国宝「菩薩半跏像」をリアルに再現した商品が登場した。仏像ワールドより発売された「リアル仏像 菩薩半跏像」(6万3000円)だ。
これは、日本の伝統と文化、美を余すところなく再現したリアル仏像シリーズの11作目。仏像専門店の熟練した職人が手掛ける人気のコレクションで、昨年話題となった「阿修羅」のリアル仏像には1500体以上の注文が集まったという。
今回モデルとなったのは国宝「菩薩半跏像」。口元に浮かぶかすかな微笑は、飛鳥時代の彫刻に見られる特徴でアルカイックスマイルと呼ばれる。その優しいほほ笑みは、モナリザ、スフィンクスと並ぶ世界三大微笑の1つとされ、比類のない美しい姿が人気の像だ。
製作にあたっては、“優しいほほ笑み”“黒光りする優美な輝き”“調和のとれた美しい姿”を忠実に再現するのにこだわった。特に、リアル仏像の命ともいえる風合いを決定付ける彩色工程では、ベテランの職人がまず1300年前の新しい状態での彩色を再現。そのあと、汚し作業によって、1000年以上経ち変化した微妙な色合いを再現するという細やかさだ。
「仏像の魅力を“日本の伝統と美”という観点からとらえ、新しいスタイルで提案しています。信仰の対象ということではなく、書斎の本棚やデスクトップのパソコンの横に置いて、悠久の歴史を感じていただく美術品、インテリアとして楽しんでいただけたらと思います」と話すのは代表の森田滋さん。
平城京が奈良に誕生して1300年。ぜひ、この機会に仏像を身近に感じてみてはいかが。【東京ウォーカー】