2006年、環境省が実施する全国星空継続観察で「星が最も輝いて見える場所」第1位に認定された村が長野県にあるのをご存知だろうか。人口約6500人、日本一暗い場所とも言われている「阿智(あち)村」だ。
この美しい星空を観光資源にするため、村が乗り出したのが「天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー」。夏、ゴンドラに乗り、標高1400mの“天空の楽園”で星空を観るのだが、来場者は1晩で2000人、シーズン中となると15万人もが訪れる人気スポットに!今にも手が届きそうな無数の星に魅了される人々は年々増え、阿智村にある温泉宿は半年先も予約が取れないまでに成長している。
冬場も満天の星空を楽しめるよう、昨年から「天空の楽園 WINTER NIGHT TOUR」を開催。このツアーを含め、村のブランディングにかかわるのは、今や各業界から引っ張りだこのアートディレクター・村松亮太郎氏だ。「阿智村のリアルな星の美しさはどうしたら伝えられるのかを皆で考え、まるで自分が宇宙空間の中にいるかのような錯覚になれるアミューズメントパークを作ることを目指した」。さらに今年はそのツアーがバージョンアップするという!早速、ウォーカープラス編集部が日本一の星空のもと「天空の楽園 WINTER NIGHT TOUR 2017-STARS by NAKED」を体感してきた。
“星”と“宇宙”にちなんださまざまなコンテンツが用意されている「天空の楽園 WINTER NIGHT TOUR 2017」は、宇宙空間に作られた人工の居住地「スペースコロニー」がモチーフで、まるで宇宙船に搭乗するような気分に。
ゲートをくぐり、中央広場にある特殊な人口知能を持つスペースコクーンに目を奪われていると、タイミングよく松井珠理奈(SKE48)の美声とともに11分間のショーが始まった。
ショーの終盤、カウントダウンが始まった。5、4、3、2、1…、一瞬にして会場の燈が消えて真っ暗に。少しの沈黙…。そして…、樹里奈の声にうながされるまま、空を見上げると、そこには息をのむほどの満天の星空が!!!
思わず感嘆のため息がもれる。記者団の日ごろの行いが幸運を呼び込んだのか!?(笑)。というのも、満天の星空に出合える確率はなんと3割。雨や雪はもちろん、雲の流れで一瞬にして冬の夜空は変わってしまうというから、この絶景が観られるか否かはもう運だめしものだ。
では、雨天や曇天など残りの7割の日に巡り合ってしまったら「星は見れないの?」という心配はつきものだが、ご安心を。カウントダウン後、一瞬消灯したのちに、プロジェクションマッピングによる“満天の星空”が公開される。
プロジェクションマッピングやライティングによる演出の間も、ショーエリアへの出入りは可能なので、気兼ねなくお気に入りの星座をバックに写真を撮ることもできる。きっとインスタ映えマチガイなしの写真が撮れるはず!
ショー以外にも、Vixenの天体望遠鏡を並べた天体観測「ASTRONOMICAL TELESCOPE」や、360度星空に包まれながら本当の宇宙に限りなく近い人口宇宙を表現するプラネタリウム「MEGASTAR」など、お楽しみは満載。寒い夜空の観察は苦手という方も大丈夫。特殊な岩盤が使われた「ASHIYU」で足浴をしながら星を観れば、身も心も温まるに違いない。
「天然の満点の星空に出合えるのか、最新技術による星の絶景に魅せられるのか?」…。今年の冬は、そんな運だめしも兼ねて、長野県・阿智村の「天空の楽園 WINTER NIGHT TOUR 2017-STARS by NAKED」に足を運んでみよう。【ウォーカープラス編集部】
取材・文=近藤鈴佳、水島彩恵