笠間焼で有名な茨城県笠間市。その街に、洗練されたニューウェーブ系ラーメンで人気を集めている店がある。美しいビジュアルもさることながら、こだわりはそれだけではない。スープに隠された、驚くべき秘密とは!?
丼の中に笠間の街を描き出す
笠間焼のギャラリーが軒を連ねる「楽市皿山」(笠間市下市毛)の一角に、2017年8月にオープンした「麺’sキッチン RIRI」。ラーメンの食べ歩きが趣味だった店主の松丸拓也さんが、独学で研究を重ね、脱サラをして開いた店だ。
大山どりがベースの醤油そば(750円)と共に人気なのが、金煮干しそば(800円)。特筆すべきはそのビジュアル。レアチャーシューのピンク、タマネギの紫、スダチやアオサの緑、菊の花の黄色など、配色が美しく、まさにアート作品のよう。その姿に、誰もがうっとりさせられるだろう。実はこれ、笠間の街をイメージしている。
「スープが大地、その上にそびえるチャーシューが山、細かく刻んだ水菜で田んぼを表現し、笠間の象徴・菊の花も散りばめました」と松丸さん。
毎日内容が変わる無限の煮干しスープ
もちろん味も折り紙付き。特にスープへのこだわりが強く、「毎日食べても飽きないように」と煮干しの種類や配合を毎日変えている。煮干し100%スープの日もあれば、動物系と合わせる日も。我々が取材に訪れた日は、大山どりにシロクチ、セグロなど3種の煮干しを合わせたスープ。煮干しがガツンと効いているが、雑味がなく、食べやすい一杯に仕上がっていた。
「煮干し100%スープでも、使う煮干しによって味がさまざまです。また、鶏と合わせるとスープに厚みが出ます。毎日スープが変わるので、その違いも感じてください」。
常時3種そろう味付きの替え玉も試したい
麺は歯切れのよい細ストレート。親交のある名店「麺屋 むじゃき」(水戸市)に発注していて、全粒粉入りで小麦の風味が豊か。
麺の大盛りはなく、代わりに替え玉を用意。こちらは今流行りの味が付いているタイプで、醤油味の味付き替え玉(200円)のほか、スパイシーなトムヤム玉(250円)、さらには日替わりの限定玉(350円)から選べる。まずはよくかき混ぜてそのまま食べて、その後は残ったスープに浸してつけ麺にしてもよい。
美しいビジュアルだけでなく、スープや麺などの内面もこだわり抜いた金煮干しそば。その珠玉の一杯を目と舌で楽しもう!【ラーメンウォーカー編集部】
河合哲治郎