酒田市にはもともとラーメン店が多く、特に自家製麺の比率が高いことで知られるエリア。2017年2月にオープンしたばかりのラーメン月輪も自家製麺である。さらにこだわったのが無化調。素材の旨味を味わってもらいたいのと、小さな子どもや妊婦さんにも安心して食べてもらいたい、そんな店主の思いからのこだわりだ。
ラーメンメニューの柱になっているのは、「あっさり」「まったり」「こってり」の3種類。酒田ではおなじみの、魚介系ダシがメインの「あっさり」は、トビウオ、マイワシ、カタクチイワシの3種類の煮干しに、マグロ節、干しシイタケなどのダシを効かせた醤油ラーメン。えぐ味や臭みが出やすい頭や内臓丁寧に取り除いた煮干しを使い、上品な味わいが楽しめる定番の一杯だ。
「まったり」は、豚骨や豚のテール、鶏のモミジなど動物系スープを主軸に野菜を加え、低温でじっくり炊いた誰にでも食べやすい、程よい濃度のラーメンで、「あっさり」を凌駕する勢いの人気の一杯となっている。
無化調で味わう濃厚こってり白パイ湯タン
豚骨を乳化させるまで強火で長時間炊いたスープで味わう「こってり」は、若い人たちを中心に評判のラーメン。見た目は超こってりな雰囲気があり、実際ひと口目は濃厚な味わいが、かなりガツンと来る。
しかし、濃厚豚骨でありながらも、無化調ならではの、まろやかでしつこくないあと味が特徴。素材の旨味もきちんと感じられる店主の自信作だ。
■ラーメンデータ<麺>中太・角・ストレート/製麺所:自家製麺・200g<スープ>タレ=醤油・仕上げ油=焦がしニンニク油/濃度:こってり○●○○○あっさり/種類:豚骨・鶏ガラ
旨さのポイント
無化調を貫き通すためにも、スープに使う素材は吟味する。豚もゲンコツだけでなく、背骨、テールなども使う。また鶏のモミジや各種の煮干しのほか、カツオ節、マグロ節なども使って、天然の旨味を追求。
自家製麺は「あっさり」と「まったり」用の中太縮れ麺、「こってり」用の中太ストレート麺、さらに牛骨ラーメン用の細縮れ麺の3種を作っている。やや多めの加水率でモチモチとした食感が特徴だ。
3種類それぞれ個性ある一杯を作ったのは、多様化する客のニーズになるべく応えたいという店主の考えから。ほかにも、みそラーメン、夜限定の牛骨ラーメンなども好評だ。まだまだ、いろいろなラーメンのアイデアがあるというので、今後の動きにも注目したい店である。【ラーメンウォーカー編集部】