県内をはじめ、全国各地のラーメン店を食べ歩いてきた店主の佐藤由美子さん。もともとは単にラーメンが好きで、機会があるごとにあちこちのラーメン店へ出かけていたという。県内の「おいしい」と評判の店はほぼ食べ歩き、ついには「自分のラーメン店を持てたら…」と夢はふくらんでいった。
しかし、開業にはそれなりに資金も必要となるし、なによりラーメンを作る技術を自分が修得できるかなど、課題は多かった。そんな折、地元・長井で程よい広さの空き店舗が見つかる。ひとつのチャンスかと思い、佐藤さんはラーメン学校などに通い、自らの修業に入る。そうした苦労のかいもあって、2017年6月に開いたのが「麺屋 ももすけ」だ。
全国各地のラーメン店を食べ歩いてたどり着いた鶏白湯
まず、メニューにしたのが鶏白湯。山形で定番の醤油ラーメンにしなかったのは、食べ歩きの経験から「醤油ラーメン」にはすでに数あま多たの名店があり、あえて自分も同じ系統のラーメンを出さなくてもとの思いがあったからだ。
粘度が高く、こってりとした鶏白湯は、まだ山形では多くないし、自らも好きなラーメン。「鶏白湯(塩)」(780円)はドロッとした粘度の白湯スープに、モッチリとした弾力ある中太麺。白髪ネギとホウレン草、程よい塩気のチャーシューがのった、店主イチオシのメニューである。
■ラーメンデータ<麺>中太・丸・縮れ/製麺所:非公開・200g<スープ>タレ=塩・仕上げ油=鶏油/濃度:こってり○●○○○あっさり/種類:鶏ガラ
旨さのポイント
下処理をしっかりた鶏白湯スープに合わせる塩ダレ。上質な塩を使い、スープ全体にキリリとコクをプラスする。スープ、塩ダレのほか、隠し味にニンニクを加えているのもポイント。
豚のバラ肉を最初に約2時間じっくり茹で、その後は特製の醤油ダレに漬け込み、一晩じっくり寝かせるのが、ももすけのチャーシューの作り方。これだとチャーシューが硬くならずに味わえる。
さらに、修業したラーメン店で覚えた横浜家系ラーメンも加え、2本立てのメニュー構成にした。本当は、これにあっさり系のラーメンも加えたいところなのだが、まだそこまで手が回らないというのが佐藤さんにとっても、歯がゆいところ。
「オペレーションなどに慣れてきて、ある程度スムーズに店の運営ができるようになってから、新メニューも考えていきたい」と、ラーメン店を開くという自分の夢をかなえた店主は常に前向きだ。【ラーメンウォーカー編集部】