残業100時間超えのボロボロな夜に差し出されたのは、妻子持ちの「クズ男」の手!救いだと思った手から抜け出すまで【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

ボロボロ心の隙に入ってくる妻子持ちの男に対して、友達の真央本気で腹を立ててくれるが…。画像提供:ヤチナツ(@11yc4)

残業は月に100時間超。モニターを何時間も見つめ続け、気づけば終電すらない生活が続いていた。それでも「この就職難で、1年もたたずに辞めるのはどうなのか」と自分に言い聞かせ、限界を超えた日々をやり過ごしていた。ヤチナツ (@11yc4) さんが描く『20時からの報告会』の中で描かれた「ボロボロの自分って全然可愛くない」は、そんな働く女性の現実をまっすぐ切り取った一編である。

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気づけばブラック企業で疲弊…仕事に追われるほど人は弱くなる

次々に仕事を頼まれ、キャパいっぱいのこはる画像提供:ヤチナツ(@11yc4)

アイデア出しも速攻でダメ出しされる。終わらない毎日画像提供:ヤチナツ(@11yc4)

ボロボロの体を引きずりながら、家路に着く。辞めたいという思い気持ちを引きずりながら画像提供:ヤチナツ(@11yc4)

「それ終わったら次はこれ」「修正も入ってるから対応して」。先輩から飛んでくる指示は止まらず、気づけばこはるはブラック企業の真ん中に立たされていた。頑張っても終わらない仕事、削られていく睡眠時間。頭の中には「辞めたい」という言葉だけがぐるぐると回り続けていた——。

つい「救いだ」と思ってしまう…優しさが沁みる夜ほど、危うい

そんな疲れ切った心に寄り添ってきたのが、同じ職場の駒場だった。労わる言葉、短い時間のぬくもり。それが救いになっているとわかっていながら、彼が妻子持ちである事実から目を背けてしまう。正しさよりも、今この瞬間の優しさを選んでしまうほど、こはるは追い詰められていた。

ダメだとわかっていても正論を突きつけられても、「助けて」と言えないまま立ち尽くす日々

駒場が家庭に戻るたび、現実は容赦なく戻ってくる。仕事、疲労、空っぽの部屋。久しぶりに会った友人からは正論を突きつけられ、元彼に連絡しても心は満たされない。誰かに手を引いてほしいと願う一方で、自分から踏み出す力も残っていなかった。

そしてある夜、駒場から告げられた別れの言葉。「もう、ここには来ない」。その一言で、こはるは初めて自分が立っている場所を直視することになる。

大人になれば、もっと上手く生きられると思っていた。けれど現実は、不器用で、迷いだらけで、選択を間違えることもある。それでも立ち止まりながら、自分の人生を引き受けていくしかない。本作は、そんな“抜け出す直前の心境”を静かに描き出している。本作の続きは『20時からの報告会』第2巻に収録されている。

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画像提供:ヤチナツ(@11yc4)

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