全裸で倒れた父→「よかれと思って」が裏目に出るのが介護のリアル…「父のため」の準備は徒労に終わるもの【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

「父が全裸で倒れてた。」カバー 作=キクチ

年始休みはお家でゆっくり漫画三昧!2025年にバズった人気漫画をピックアップ。今回は、20代で母を看取り、続いて父の介護にも直面したキクチさん(kkc_ayn)の実体験を描いたコミックエッセイを紹介する。

第1話1-1 作=キクチ

第1話1-2 作=キクチ

 作=キクチ

【漫画】本編をイッキ読み


右耳難聴や子宮内膜症といった自身の経験を、コミカルな筆致で描き続けてきたキクチさん。彼女の名を広く世に知らしめたのは、20代という若さで直面した母親の在宅介護と看取りの記録「20代、親を看取る。」だ。2023年に書籍化された同作は、介護の過酷な現実と親との死別という重いテーマを扱いながら、多くの読者の共感を呼んだ。

それから約2年。母を送り出したキクチさんを待ち受けていたのは、今度は父が病に倒れるという新たな試練だった。母の介護経験があるとはいえ、すべての決断を自分一人で背負わねばならない重圧は計り知れない。しかし、キクチさんは「親の老いと死」という誰もが避けて通れない課題に、再び正面から向き合っていく。

介護の現実は「空振り」と「割り切り」の連続


デザイナーとしての手腕を活かし、入院中の母のために近況報告紙「KIKUCHI JOURNAL」を作成するなど、キクチさんの介護スタイルは常に独創的だ。今回の父のためにも自作の指差しボードを用意したが、父の反応は芳しくなかった。しかし、彼女はそれを「介護あるある」として淡々と受け止める。母の在宅介護時代、よかれと思って用意したレトルトの介護食は一切口にされず、結局は自分が食べることになった。寝たきりでも楽しめるようにと大奮発して買った大型テレビも、薬の副作用で眠り続ける母には無用の長物となった。

そんな「よかれと思って」が空振りに終わる経験を重ねてきたからこそ、今のキクチさんには「仕方のないこと」と笑い飛ばす余裕がある。介護は感謝や見返りを求めるものではない。自分がやりたくてやっている。その潔い哲学が、過酷な日々の中にひと筋の救いをもたらしている。

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