働く日常の中で起きた出来事を、哀愁ただようタッチで漫画化し、SNSで発信している青木ぼんろさん(
@aobonro
)。本作は、コロナ禍で突如現れた“アクリル板”に翻弄されるサラリーマンの姿を描いたエピソードである。誰もが一度は感じたことのある「地味に困る瞬間」を切り取った内容に、「分かる!」の声が相次いだ。
「俺だけ、狭くない…?」牛丼店で始まる無言の葛藤
舞台は昼どきの牛丼店。店内はほぼ満席で、空いていた席に腰を下ろした瞬間、青木さんは違和感を覚える。「俺だけ、やけに狭い…?」。原因は、隣席との間に設置されたアクリル板だった。左右から圧迫されるような配置に、身動きが取りづらい。
とはいえ、無言でアクリル板を動かすのも気が引ける。説明しようにも状況はややこしく、隣では黙食中の強そうな男性がノーマスクで食事をしている。「話しかけるのも違う気がする…」。さまざまな思考が頭を巡り、箸を持つ手も落ち着かない。
青木さん自身、この体験について「コロナ禍の出来事なんです。お昼のピークタイムで店内はほぼ満席、その中で座った卓が、この細さでしたので頭を抱えました」と振り返る。「無言で動かすのもあまり良くないし、説明しようにも状況がややこしい上に、食べてる方はノーマスクなので話しかけるのも良くない…そんなさまざまな葛藤がありました」と、当時の心境をそのまま語っている。
アクリル板は時に守りに、時にはストレスに!?
コロナ禍で一気に広まったアクリルパーティションは、感染対策として導入されたものだが、思わぬところで別のストレスを生んでいる。青木さんも「またアクリル板の話で恐縮ですが」と前置きしつつ、別のエピソードを明かす。
「先日訪れたラーメン屋さんのアクリル板は、スープが飛び散るからなのか、茶色の斑点がびっしりついていて…。少し気持ち悪く感じましたね(苦笑)」。守るための存在が、逆に気になってしまう瞬間もあるようだ。
400円であの美味しさ! サラリーマンささやかな幸福
最後に、舞台となった牛丼店にちなみ、サラリーマンにとっての牛丼について尋ねると、青木さんは迷いなくこう答えた。「『幸せ』ですかね」。続けて、「存在が当たり前になっていて忘れがちですが、400円であのおいしさ、ボリューム、提供スピードは異常だと思うんですよ」と熱弁する。
さらに、「いつか牛丼が値上げして1000円とかになったら、昔を思い出してこう思うはずです。『あの頃は幸せだった』ってね」と語り、日常に溶け込んだ“ささやかな幸福”をコミカルに表現した。
生活様式が大きく変わったコロナ禍。飲食店のアクリル板も、その象徴の一つである。まだまだ新しい日常の中には、こうした小さな違和感や笑いの種が潜んでいそうだ。今後も“恐らく誰の人生にも影響を及ぼすことはない”が、どこか一大事にも感じられるサラリーマン生活が描かれていく。
取材協力:青木ぼんろ(@aobonro)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。