天気を予想する天気予報士と同様、渋滞を予想する「渋滞予報士」という職業が存在する。関東、北海道、東北、新潟に各1名ずつ、わずか4名のみ在籍している渋滞予報士とはどのような職業なのだろうか。
また、年末年始にかけて毎年話題となる高速道路の渋滞は、なぜ起こるのだろうか。その意外なメカニズムについて、NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)渋滞予報士の外山敬祐さんに話を聞いた。
そもそも「渋滞予報士」ってどんな仕事?
「渋滞予報士は、渋滞を少しでも減らすために、高速道路の渋滞が「いつ・どこで・どのくらい」発生するかを予測し、混雑している日にちやルートを避ける「分散利用」を呼びかけています。渋滞を減らすためには高速道路をご利用いただくお客さまにもご協力いただくことが不可欠です。
そのため、渋滞予測や取り組んでいる渋滞対策について分かりやすく解説・PRすることも渋滞予報士の大切な役割です。その他にも、渋滞発生原因の分析や渋滞対策の企画立案など、具体的に渋滞を減らすための仕事も行っています。」と外山さん。
渋滞予測や渋滞対策のPRの一環として、2007年に誕生した渋滞予報士。外山さんは五代目の渋滞予報士として、渋滞を減らすことを使命に積極的にメディアに出て、渋滞予測についてアピールしている。
年末年始の渋滞ピーク予想を教えてください
「年末の下り方面(都心→地方部)の渋滞は、例年分散傾向となるため、意外にもGWやお盆ほどの大きな渋滞にはならないことが多いです。今年も同様の傾向ですが、12月30日は注意が必要です。関越道の高坂SA付近を先頭に午前8時をピークに最大20キロメートルの渋滞を予測しています。
一方の上り方面(地方部→都心)は、年末年始をふるさとや行楽地で過ごした方々のUターンラッシュが1月2日にピークを迎え、お昼過ぎから各高速道路で激しい渋滞となるでしょう。
特に関越道の高坂SA付近や東北道の加須IC付近では夕方17時をピークにそれぞれ最大35キロメートルの渋滞となりそうです。この1月2日は初売りや初詣などに出かける車で移動が活発となるため、下り方面でも午前中に多くの渋滞が発生するため注意が必要です。
これは今回に限った話ではなく、例年1月2日は上下線両方向で渋滞が多く発生することから「渋滞の特異日」と呼んでいます。1月2日にお出かけの際には渋滞予測を参考に混雑している時間やルートを避けてください。