新生活を迎える新社会人にとって、ビジネスマナーは最初に突き当たる壁とも言える。社会人になると、社内会議や顧客への提案などさまざまな場面でスライド資料を作る機会がある。スライド資料の出来栄えが、今後のキャリアアップにつながるケースも大いに考えられる。そこで今回は、ビジネスマナー・コミュニケーション講師の増田美子さんや、実業家の古川健介(けんすう)さんを著者に迎えたビジネスマナー書籍『令和版 新社会人が本当に知りたいビジネスマナー大全』より、ビジネスシーンで評価を上げるスライド資料の作り方や、押さえておきたいポイントなどを紹介する。
スライド資料作りにおける4つのコツ
スライド資料において重要なのは、受け手にとってわかりやすいかどうか。コツは大きく4つある。まずは「メッセージを明確に伝える」こと。そして「見やすくわかりやすいレイアウトにする」こと。「画像やグラフを活用する」こと。最後に「スピーチとのバランスを考える」ことだ。
1つ目に挙げた「メッセージを明確に伝える」ためには、タイトルや見出しの書き方を注意したい。タイトルや見出しなどは9~13文字以内に収め、プレゼンテーションの目的やメッセージを明確に伝えるといいだろう。また、「1つのスライドには1つのメッセージ」を徹底したい。スペースが空いているからといって、1枚のスライドにたくさんの情報を詰め込むと、受け手は何をメッセージとして受け取ればいいのかわからなくなってしまう。
2つ目の「見やすくわかりやすいレイアウトにする」ためには、スライドのレイアウトをシンプルにすることが大切。さらに、書体の種類や大きさなどに統一感を持たせると、視覚的にわかりやすくなる。
3つ目の「画像やグラフを活用する」テクニックは、伝えたいメッセージと合わせて補助的に使うのがいい。画像やグラフを使うことで、受け手の関心を引くことができる。
スライド資料はプレゼンテーション用の資料であることが多いため、4つ目の「スピーチとのバランスを考える」ことも重要だ。資料はあくまで補助的な役割。スライドが多すぎるとそちらに集中されてしまい、話を聞いてもらえないという事態も起こりうる。
わかりやすいスライド資料の構成とは?
実際にスライド資料を作成していくにあたって最初にすべきことは、全体の流れや構成をテキスト化して整理すること。仮定のストーリーを作ることを意識するといいだろう。具体的には、まず現状起きていることを、課題とその原因で整理する。その原因を解決する方法が具体的な提案内容となり、提案内容を実施するとどのような変化や効果が現れるのかを伝えるように組み立てると、わかりやすいスライド資料になる。
次に、「1つのスライドには1つのメッセージ」を徹底するために、「この1枚で何を伝えたいのか」を一文で書き出してみよう。その一文以外は思い切って削る勇気が大切。見せる内容と、話す内容を分けて考えよう。
グラフや図をわかりやすくする工夫
コツの2つ目に挙げた「見やすくわかりやすいレイアウトにする」を実践しようと、色を多用するのは逆効果。1枚のスライド資料に使用する色数は2~3色程度に抑えて、伝えたい部分だけにポイントとして使うのがいい。情報を区別する方法は、色だけに限らない。色だけではなく形、線の種類、文字の太さなどの違いを併用することで、誰にとっても見やすい資料となり、メッセージ性をより強く打ち出すことができる。コツの3つ目に挙げた「画像やグラフを活用する」際にも役立つため、ぜひ覚えておきたい。「見え方は人それぞれ」という前提を持つことが第一歩になる。
慣れないビジネスマナーは、社会人が最初に突き当たる手ごわい相手。しかし、正しい知識や常識を身につけて仕事に臨めば、新社会人でも1人のビジネスマンとしてステップアップするチャンスに巡り合えることだろう。スライド資料作成は、パソコンやタブレットを用いて仕事をこなす現代の社会人にとって必須のスキル。プレゼンテーション資料の作成ソフトに入っているテンプレートで簡単に作ることはできるものの、見やすくわかりやすいスライド資料を作るコツを理解することは、自身のキャリアを形成するための大きな武器になるはずだ。
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