世界中から愛されるコミック「
PEANUTS(ピーナッツ)
」。その生みの親であるチャールズ M. シュルツ氏の人生を、当時のまんがや貴重な写真とともに紹介する書籍
『スヌーピーと、いつもいっしょに 新装版 PEANUTSを生んだチャールズ・シュルツの物語』
(株式会社Gakken、文:マイケル・A・シューマン、訳:小松原宏子)が2026年2月19日に発売された。PEANUTSコミック誕生75周年を記念し、2015年刊行のハードカバー版がソフトカバーの新装版として生まれ変わっている。
「不採用」の連続。コミック「PEANUTS」の作者は“チャーリー・ブラウンそのもの”だった
スヌーピーやチャーリー・ブラウンの生みの親、チャールズ M. シュルツ氏。1950年にアメリカの新聞紙上で連載をスタートした「PEANUTS」は、以来50年間ほとんど休むことなく描き続けられ、今なお世界中の人々に愛されている。
しかし、その道のりは決して順風満帆ではなかった。シュルツ氏は、自分に自信がなく、友達をうまくつくれず、まさにチャーリー・ブラウンのような繊細で内気な青年だった。社会に出てからも仕事を転々とし、まんが家を目指して作品を出版社に送り続けるものの、返ってくるのは「不採用」の通知ばかり。それでも描くことをやめず、挫折を繰り返しながら少しずつ頭角を現し、ついには世界中で愛されるキャラクターたちを生み出すことになる。本書は全10章+プロローグ構成で、そんなシュルツ氏の少年時代から晩年までをたどっていく。
創作の舞台裏にあった紆余曲折の人間ドラマやシュルツの創作エピソードも紹介されていて、当時の関係者たちの証言からは、少し不器用でもまっすぐだったシュルツ氏への周囲の深い愛が伝わってくる。たとえば、コミック「キャシー」の作者キャシー・ガイスワイト氏は、シュルツ氏の仕事場についてこう語っている。自分の机は作品描き終わるといつも紙だらけでひどいことになる。でもシュルツ氏の机はその正反対で、いつも整然とかたづいていて、真新しい机みたいに何もない——。そして、「自分が知るかぎり、いちばんプロ意識が高いまんが家」と評している。
さらに注目したいのは、作品が描かれた時代背景への言及だ。人種差別やベトナム戦争など、当時のアメリカ社会の空気が「PEANUTS」にどう反映されていたのか。シュルツ氏の社会へのまなざしと問題意識を知ることで、いつものコミックが違う深みをもって見えてくるはず。
新装版ならではの見どころ。夫人からの特別メッセージも収録
今回の新装版の装丁は、KOGUMA OFFICEの鳴田小夜子さんが担当。ウッドストックの黄色を基調に、やわらかで手触りのやさしい上質紙を使ったカバーが目を引く。旧版に引き続き、カバー表紙にはシュルツ氏が友人のために描いた貴重な自画像作品が配されている。
巻頭のカラーページにはPEANUTSの仲間たちの紹介や「心に残る言葉集」を掲載。巻末には、シュルツ氏の誕生からキャラクターたちの初登場、社会の出来事までをまとめた「チャールズ・シュルツ年表」も収録されている。ファンはもちろん、はじめて「PEANUTS」に触れる人でも楽しめる構成だ。さらに、シュルツ氏の妻でありチャールズ・M・シュルツ・ミュージアム理事長を務めるジーン・シュルツ氏から、日本のファンに向けた新たなメッセージも収録されている。
本文はふりがな付きで子どもでも読みやすく、対象年齢は小学校高学年から大人まで。216ページのA5判ソフトカバーで、定価は1650円。
現在、PEANUTSはコミック誕生75周年のアニバーサリー期間中(2026年10月まで)。スヌーピーミュージアム(東京・南町田グランベリーパーク)では2026年3月7日から新企画「
ふかふかミュージアム
」もスタートしている。この春、スヌーピーの世界にどっぷり浸かりたい人は、まずこの1冊から手に取ってみてはいかがだろう。
『スヌーピーと、いつもいっしょに 新装版 PEANUTSを生んだチャールズ・シュルツの物語』
文:マイケル・A・シューマン 訳:小松原宏子
定価:1650円
発売日:2026年2月19日
体裁:A5判(ソフトカバー)/216ページ
対象年齢:小学校高学年~大人
発行:株式会社 Gakken
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