大逆転で優勝をさらわれた2016年の悔しさを胸に臨んだ2017年シーズンを、工藤公康監督が振り返る!新春スペシャルインタビュー後編をとくとご覧あれ。
―今では春、秋のキャンプの恒例となった工藤監督によるトレーニング指導、いわゆる「工藤塾」ですが、2017年シーズンは“塾生”の活躍も目立ちました。東浜 巨投手、千賀滉大投手、岩嵜 翔投手、みんな監督就任1年目から直接トレーニングを指導してきた選手ですよね?
工藤公康監督:選手からしてみれば、最初はこんなきつい練習をして本当に意味があるの?と感じたことでしょう(笑)。でも、徐々に結果を残すことで、トレーニングの正しさを理解してもらえたと思います。2015年の秋季キャンプから指導を始めて、2016年、2017年を終えたので、今年はホップ、ステップを経てのジャンプの年です。数字の面で飛躍を期待するというよりは、長く野球選手でいられるための土台をつくり上げてほしいというのが私の想いです。選手が引退する理由の多くは、怪我や故障によるもの。そうならないために、3年先、5年先を見据えてトレーニングを続けていってほしいと思っています。
―2018年はV2をめざすシーズンとなります。春のキャンプは目前に迫っていますが、テーマはありますか?
工藤監督:ずばり「野手の強化」です。野球は「投手力が7、8割」といわれるスポーツなので、監督就任からこれまで投手力強化に比重を置いてきました。3年間やってきて、投手に関しては手応えを感じられる状態になりました。選手個々がトレーニングの大切さを理解して取り組めば、今シーズンもある程度安定した成績を残せると思っています。なので、次は野手陣のトレーニングに力を入れていきたいですね。
―野手でいえば2017年シーズンは上林誠知選手、甲斐拓也選手の若手2人が大活躍した年になりました。
工藤監督:彼らもまだ私がトレーニング方法を指導するまでには至っていません。春のキャンプから積極的に見ていきたいですね。とはいえ、私は投手出身なので、野手の強化については分からない面もあります。コーチや選手とコミュニケーションをとりながら強化メニューを決めていく計画です。年末年始は渡米して、障害予防やトレーニング論について勉強してこようとも思っています。※インタビューは2017年12月上旬に実施
―最後に読者へのメッセージをお願いします。
工藤:2018年シーズンのキーワードは「もう一度」。日本一の感動を「もう一度」みなさんと分かち合えるよう、キャンプから1年間戦っていきます。選手の一投一打に、熱い声援をよろしくお願いします。
【九州ウォーカー編集部/取材・文=近藤耕平、撮影=鍋田広一】
近藤耕平