ゲームソフトや映画、ネットワークサービスなど、世の中に影響を与えたデジタルコンテンツを表彰する「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'09」が、3月17日に開催。今年は、映画『アバター』やTwitter、“ドラクエIX”など、社会現象にもなった“粒ぞろい”の作品やサービスが顔をそろえる中、見事「セカイカメラ」が大賞・総務大臣賞を受賞! まるでSFの世界のようなサービスを可能にしたアプリケーションが、’09年デジタルコンテンツの“顔”となった。
「セカイカメラ」とは、iPhoneなどスマートフォン上で動作するソフトウェア。セカイカメラを起動し、目の前の風景をスマートフォンのカメラ越しに見ると、その場所や建物、看板などに関連する情報(文字・画像・音声など)が景色に重なって表示される。2009年9月に、日本国内にてiPhone向けアプリとしてリリースされるや否や、爆発的なヒットを記録したアプリケーション兼ウェブ・サービスだ。
制作した「頓智ドット」の井口尊仁社長は「本当にうれしいです! 2010年代をセカイカメラの時代にしたい。世界にどんどん出ていきたいですね」と、次の展開についても喜びいっぱいの表情で語り、会場を沸かせた。
ちなみに、残念ながら大賞は逃したものの、今回の優秀賞10作品はどれも社会現象になったものばかり。
3D元年といわれた2009年年末に公開された映画『アバター』や、たった140文字で“今”をつぶやく「Twitter」、そして昨年夏“すれ違い通信”も話題となり415万本以上を売り上げたゲームソフト「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」、携帯電話の可能性を広げた「BeeTV」など、デジタルに詳しい人でなくともハマるコンテンツばかりがそろった。
「AMD理事長賞」を受賞した「ドラゴンクエストIX」のゲームデザイン・シナリオを手掛けた堀井雄二氏は、「“すれ違い通信”や“Twitter”のヒットからも分かるように、デジタルコンテンツといえども、やっぱり人は人が好きなんだと思います。人の温かみに触れられるようなコンテンツやサービスが受け入れられていくと思います」と、コメント。堀井氏の言うように、今年はユーザーも参加できたり一緒に作っていける作品が、大きな評価を得たようだ。
過去1年間に発売・発表されたデジタルコンテンツの中から、優秀作品やサービスに対しその功績をたたえる「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'09」。今年は「セカイカメラ」が大賞に輝いたが、来年もまた新たなコンテンツが私たちを驚かせ、そして楽しませてくれるだろう。 【東京ウォーカー】
■年間コンテンツ賞一覧
●功労賞/川上陽介氏 ●江波直美賞(新人賞)/川村真司氏 ●リージョナル賞/函館壊滅!? タワーロボVSイカール星人シリーズ ●優秀賞(10作品・50音順)/映画『アバター』、Crunchroll、映画『サマーウォーズ』、セカイカメラ、Twitter、特ダネ投稿DO画、トモダチコレクション、ドラゴンクエストIX 星空の守り人、BeeTV、mixiアプリ ●大賞・総務大臣賞/セカイカメラ ●AMD理事長賞/ドラゴンクエストIX 星空の守り人