閉園後のパークを貸し切り、東京ディズニーリゾートで働く準社員(アルバイト)のキャストを上司がもてなす「サンクスデー」。今年も1月16日、東京ディズニーランドで同イベントが開催され、ゲストとして参加した約1万6000人のキャストが、特別な一夜を楽しんだ。
20時15分のイベントスタートを前に、メインエントランスには多くのキャストが詰めかけ、早くも熱気ムンムン!ゲートが開くと、一斉に“歩いて”入園。決して走ることなく、この日もキャストとしてのモラルを守っていた。
ワールドバザールには役員や社員がずらりと並び、ウェルカムグリーティングを実施。ハイタッチをしたり、配布されるキャンディーを受け取ったり、上司との交流を楽しみながら歩を進めていた。
なお、パーク内の各所でアトモスフィア・エンターテイメントも行われ、ワールドバザールではバンドの演奏に足を止めるキャストも。
シンデレラ城前で行われたセレモニーには、オリエンタルランド 代表取締役社長兼COO 上西京一郎氏と、代表取締役会長兼CEO 加賀見俊夫氏が出席。上西氏は「キャストの皆さん一人一人が素晴らしい笑顔とチームワークで、ハピネスをお届けしてくれたことで、たくさんのゲストの皆様にお越しいただくことができました」と感謝を伝えた。
さらに、東京ディズニーリゾート35周年に向けて団結するべく、上西氏の言葉に続き、セレモニー参加者が「ハピネス」と声を合わせる一幕も。
加賀見氏は「何もない海から始めたこの土地において、多くのゲストの皆さんに夢や感動をお届けすることができましたのも、すべてのキャストが日々ベストを尽くし、ゲストをおもてなしした努力の賜物でございます」と労いの言葉を送った。両氏の挨拶に続き、シンデレラ城ではキャッスルプロジェクション「フローズン・フォーエバー」が上演された。
セレモニー終了後、上西氏は、清掃を担当するカストーディアルキャストのコスチュームに身を包んで登場。キャストとの記念撮影に応じた他、ほうきとちりとりを持って清掃を行ったが、しっかり掃除が行き届いた地面にゴミは残されていなかったようだ。
「サンクスデー」では、一部を除きアトラクションも運営され、少ない待ち時間で楽しむことができる。「プーさんのハニーハント」の待ち時間が、「821(ハニー)分」と表示されるなど、遊び心あふれる演出も見られた。
さらに、パーク内を歩いていると、各所で記念撮影を楽しむキャストに遭遇。この日はスペシャルフォトロケーションとして、普段は上がることができないショーベースのステージが解放されており、こちらも多くのキャストで賑わいを見せていた。
キャラクターグリーティングも大人気で、パークのあちらこちらに人だかりが。なかには記念グッズのマフラータオルを広げて撮影するキャストも!ちなみに記者はグーフィーやプルート、「三匹の子ぶた」の三兄弟、ホーレス・ホースカラーなどに会うことができた。
「サンクスデー」ならではのグルメも見逃せない。ハロウィーンの時期に東京ディズニーシーで販売されていた「ブラッククイニーアマン」と、人気の食べ歩きフード「ポークライスロール」のセットなど、通常時はお目にかかれないメニューが多数提供されていた。
東京ディズニーランドのレストラン「センターストリート・コーヒーハウス」で勤務しているというキャストのグループに話を聞いてみると、「サンクスデー」ではこれらのメニューを特別価格で購入できるとあって、魅力的なようだ。
だが、楽しみにして来たことを尋ねると、フードやアトラクションよりも先に「上司との交流」を挙げていたのには驚いた。コスチューム姿の上司と、無礼講で接することができるのが楽しいようだ。振り返ってみると確かに、キャラクターグリーティングと同じような感覚で、上司との記念撮影で盛り上がるキャストの姿が印象的だった。
普段のパークとはまた異なる、温かい気持ちであふれた「サンクスデー」は、大盛況のうちに幕を閉じた。
水梨かおる