四天王をモチーフとした巨大な山車「大立山」が練り歩く「大立山巡行」や地域の伝統行事の披露・展示が一堂に会する一大イベント「奈良大立山(ならおおたてやま)まつり」が2018年1月26日(金)から28日(日)の3日間、世界文化遺産の平城宮跡で開催される。
もともと「立山」とは、奈良県内各地に江戸時代のころから伝わってきたもので、「造りもの」を身代わりとして、降り懸かる厄を落とす風習のこと。これらの「造りもの」は奈良独自の呼び方で「立山」と呼ばれてきた。現在でも広陵町の「大垣内立山祭」や御所市の「東名柄区天満宮天神祭 『立山』」など各所で行われていて、その伝統をもとに巨大な造りものを「大立山」と名付け、大規模イベントとして始めたのが「奈良大立山まつり」だ。
3回目となる今回も持国天、増長天、広目天、多聞天の四天王をモチーフにした高さ約7mの巨大な「大立山」が会場を練り歩き、皆で1年の無病息災を祈願する。夜の闇に光り輝く、極彩色の「大立山」は神秘的だ。「大立山」以外にも、曽爾村や御杖村の獅子舞や橿原市や大和高田市のだんじりなど、県内各地27団体の伝統行事も披露される。
そのほかにも見どころ満載で、同じ会場で行われる「あったかもんグランプリ」では、奈良市の新名物、春日餺飥うどんを使ったクリームパスタなど奈良県全39市町村自慢のグルメでグランプリを競い合う。1月28日(日)13:15から表彰式が行われる。「あったかもん」のほかにも、ご当地グルメや地域の特産品の販売もある。
また、会場内にはこども縁日やせんとくんドームを開設するこども広場や、会場内を走るロードトレイン、28日(日)のNHK「ストレッチマンとあそぼうショー」(13:50~、16:25~の2回)など、家族で楽しめるイベントも盛りだくさん(こども縁日、こども広場、ロードトレインは有料)だ。
同日開催のイベントも要注目で、1月27日(土)には約600発の花火を打ち上げたあと、33haの草地にいっせいに火をつけて山を焼く「若草山焼き」、春日大社の飛火野に設置された火炉で古いお札やお守りなどをたき上げ無病息災や五穀豊穣などを祈願する「春日の大とんど」にも注目。なかでも「若草山焼き」の花火と「大立山」の共演は圧巻なのでチェックしたい。
「奈良大立山まつり」をきっかけに、この冬の奈良の魅力を満喫しよう!【関西ウォーカー】
石川貴大