インパルス堤下、“ほろ苦”キスシーンを語る

東京ウォーカー(全国版)

「第2回沖縄国際映画祭」カウントダウンイベント最終日。桜坂劇場の「YOSHIMOTO DIRECTOR’S 100」、3月23日の2回目昼3:00からは『Love Rider 〜until I find the key to her heart〜』(インパルス・堤下敦監督)、『あなたのためならどこまでも』(桂あやめ監督)の2本が上映された。

インパルス堤下の監督作『Love Rider〜』は、堤下演じる青年実業家が、成功を目前にして恋人のためにすべてを捨て去るという、90年代トレンディードラマを思わせる正統派ラブストーリー。「ロンバケ世代なんで、最初からおしゃれドラマを狙ってました」と言う堤下。全編生まれ育った横浜で撮影し、蒲生麻由演じる美女とのキスシーンもありで、監督依頼を8回も断ったとは思えないほどの熱の入れよう。

キスシーンでは「蒲生さんが嫌そうに後ろにのけぞってるんです。相思相愛の役なのに!」と不満げに語り、会場の笑いを誘った。なお、ハッピーエンドの本編終了後に堤下の自虐モードが炸裂。共演者が堤下への不満をカメラに向かってさらけ出すという演出で、作品にM的なオチをつけていた。

一方、桂あやめ監督の『あなたのためならどこまでも』は架空の落語界の騒動を描いた作品。月亭八光演じる主人公が、落ちぶれた師匠の「協会選挙で会長に選ばれたら、もう一度独演会をやる」という一言を信じて、票集めのために各一門を奔走するというストーリーだ。

三枝、ざこば、米團治と名だたる桂一門の重鎮たちを演出したあやめは、「意外と思い通りに動いてくれはるんですわ」と余裕の表情。『ディア・ドクター』(09)、『おとうと』(10)で名演を見せた、笑福亭鶴瓶が師匠を演じているとあって、「思いもよらず作品の格が上がった」とうれしげ。人間国宝・桂米朝に、かぶりものをさせたかったというあたり、こちらはSキャラが見え隠れした。【東京ウォーカー】

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