「伸びる可能性高い」森永乳業がチルドカップ紅茶市場に新商品投入

東京ウォーカー(全国版)

スタイリッシュなカップに本格的な味わいと香り、コンビニやスーパーの飲料コーナーですっかり人気商品の地位を確立したチルド飲料。この市場に新たな風を吹き込もうとしている企業がある。「マウントレーニア」シリーズでチルドコーヒー市場を席巻する森永乳業である。

同社は、3月30日に人気ブランド「リプトン EXTRA SHOT」シリーズから新フレーバー「ノンシュガー」を発売することを発表。同時に定番商品「リプトンEXTRA SHOT 深煎ミルク紅茶」もリニューアルする。

今後はチルドカップ紅茶に力を入れていきたい――森永乳業はこの市場に大きな期待を寄せている。

「カフェショップでは近年、紅茶メニューの拡充が目立ちます。見た目がオシャレで味わい深いチルドカップというカテゴリー自体の注目も高まっている今、チルドカップ紅茶が伸びる可能性は高いと考えたのです」

事実、このチルドカップ紅茶市場は伸長傾向が目覚ましく、08年度の売上は前年比211%、09年度は2月時点で前年比113%と成長を続けている。

とはいえ、やはりチルド飲料というと真っ先にコーヒーを思い浮かべる人がほとんどだろう。人気チェーンと飲料メーカーとのコラボ商品などもあり、その印象は強い。実際チルド市場における規模も、紅茶はコーヒーの10分の1程度とまだまだ小さいのが現状だ。

だが森永乳業は「棲み分けは可能」だという。

「先日実施したリサーチで、紅茶とコーヒーは“どっちが好き”ではなく、シーンによって飲み分けるものであるという消費者の意識が分かりました。コーヒーは眠気覚ましやシャキッとしたい時など“ON”の需要であるのに対し、紅茶はホッとリラックスしたい時、すなわち“OFF”のシーンに飲みたいものなのです」

チルドコーヒーの先駆けといえる商品を擁す森永乳業だが、今回の新たな開拓地はそのポジションを侵略することはないと考えた。飲用シーンによる棲み分けを狙う同社の戦略に注目が集まる。【東京ウォーカー】

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