ルノー・ジャポン株式会社は、2月22日(木)より「ルノートゥインゴ GT」の販売開始を発表。時を同じくして、都内で試乗会が開催された。
5速MTと6速EDC(エフィシェント デュアル クラッチ)の2タイプが用意され、カラーはオレンジ系の“オランジュ ブレイズM”とグレー系の“グリ リュネールM”の2種類がラインアップ。価格は「ルノートゥインゴ GT MT」が229万円、「ルノートゥインゴ GT EDC」が239万円となる。
2017年10月に200台の限定車として登場した「ルノートゥインゴ GT」。併せて年明けのカタログモデル化が発表されていたが、今回ついに市場への投入日が発表された。
RR(リアエンジン・リアドライブ)の「ルノー トゥインゴ」に、ルノーのモータースポーツ活動を中心となって支えるルノー・スポールがエンジンやシャシーに専用チューニングを施したコンパクトスポーツ「ルノートゥインゴ GT」。その可愛らしい見た目とは裏腹に、秘めるポテンシャルはハイレベルだ。
エンジンは最高出力109PS、最大トルク170Nmにまで高められた、0.9リットルターボチャージャー付直列3気筒エンジンを搭載。これは、現在ラインアップされる「ルノー トゥインゴ」の中で最もパワフルになるように性能向上が図られた。0-100km/h加速はMTで9.65秒、EDCで10.25秒。これはEDCの方が30kg車重が重いためだと考えられるが、明確な理由は開示されていない。
RRのため、エンジンはリアに格納されているが、ボンネットには収納スペースは用意されていない。それでも、エンジンを49度傾けることで後輪の間に収まるコンパクトな設計とし、リアに十分な積載量を確保している。フロント部が空いた分、バルブヘッドを前方に配置し、コンパクトモデルとは思えない広々とした室内空間を実現。同時にフロントタイヤの切れ角の確保にもつながっている。
また、採用されるステアリング機構“バリアブル ギアレシオ(VGR) ステアリング”は、ステアリングラックの切り方が先に行くほど広くなるようになっているため、小さな動きで大きく反応する。これにより、パリや東京など都心部の入り組んだ道でもスムーズな走りを披露する共に、直線安定性が向上した。
シャシーはダンパーが専用設計となるほか、アンチロールバー(独立懸架式のサスペンション機構)も強化。さらにESC(横滑り防止装置)は、標準モデルに比べその介入タイミングを遅らせているので、コーナーで後輪のスライドを感じられるなど、RRらしいハンドリングが楽しめる。
当初、スマートフォンにてナビを利用していたトゥインゴシリーズであるが、オプションで7インチナビゲーションシステム(27万円)が用意された。インパネには液晶画面のみを配置し、本体は助手席下に配することで実現したそうだ。なお、タコメーターのない「ルノートゥインゴ」はこれまで専用アプリをダウンロードしたスマホで表示していたが、ナビを搭載したため今回その機能はないとのこと。ただし、回転数が上がった際にスピードメーターに切り替えを指示する矢印が表示されるのと、エンジン音でも切り替えのタイミングが分かるので、慣れてくればMTであってもあまり不便はないだろう。
まさに見てよし、乗ってよし、走ってよしと三拍子揃った「ルノートゥインゴ GT」は、都市型コンパクトカーとして買いの1台といえるのではないだろうか。驚くほど小回りの効くその走りを、ぜひ体感してほしい。
安藤康之