吉永小百合は北海道オタク!? 出演120本目「北の桜守」大阪で会見 堺 雅人も登場

関西ウォーカー

3月10日(土)、北海道を舞台に壮大なスケールで人間模様を描く超大作「北の桜守」が公開される。本作は同じく北海道を舞台とした「北の零年」「北のカナリヤ」に続く“北の三部作”最終章となる作品。流氷をはじめ北海道でのロケも多く、北海道命名150年を迎える2018年にふさわしい作品だ。

主演は本作が120本目の出演作となる吉永小百合。監督は「おくりびと」で米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎。吉永とは初めてタッグを組む。

記念撮影に応える吉永小百合(中央)、堺雅人(左)、滝田洋二郎監督(右)


共演は吉永演じる江蓮(えづれ)てつの次男・修二郎を堺雅人、夫の徳次郎を阿部寛演じるほか、てつの古い友人・山岡役に岸部一徳、てつに仕事を与え、何かと面倒をみる菅原を佐藤浩市が演じるほか、篠原涼子、中村雅俊、高島礼子など豪華な顔触れがそろう。

物語は1945年の樺太から1971年の札幌へと続く。老いた母とともに家族の記憶をたどる旅に出る修二郎。サハリンを望む日本最北端の海で、よみがえったてつの記憶とは…。

樺太から北海道に逃れた江蓮てつと修二郎を待っていたのは厳しい寒さと飢えだった ©2018「北の桜守」製作委員会


公開に先駆け、2月15日、ホテルニューオータニ大阪で吉永小百合、修二郎役の堺雅人、滝田洋二郎監督の記者会見が行われた。

会見の冒頭、吉永は「北海道オタクで北海道が大好き。北の三部作に出演できて光栄です」とあいさつ。堺とはアニメの親子役で共演したことはあるが、実写での共演は初。堺は「仰ぎ見るような大先輩と共演できて、現場でひたむきでまっすぐな吉永さんの思いに、背筋が伸びるような思いもし、引き締まる思いで時間を過ごした。吉永さんと撮影で接していると、桜の花びらに包まれているような、吉永さんに包まれるような、向き合っていながら優しく筒でもらっているような撮影の日々でした」と振り返った。吉永は「大人になった修二郎が網走に帰ってくるシーンでは堺さんの演技力に圧倒されました。ラストシーンで堺さんと再会するところでは信じられないぐらい優しい表情をしていて、その演技に誘われて私も人生を肯定できるというような思いでこの役を演じられた」と語る。

修二郎宅に引き取られながら、姿を消したてつ。母を見つけた修二郎は二人で家族の記憶をたどる旅に出る ©2018「北の桜守」製作委員会


また、吉永とは初めての映画となる滝田洋二郎監督は「自分でも大好きな、思いのある作品がとれたと思う。たくさんのテーマが詰まった作品。撮影所のみんなのエネルギーをもらって、なかなかできないことにもチャレンジした作品」と自負する。本作のチャレンジングな試みの中でも目を引くのが作中に挿入された舞台劇の場面。このように映画で舞台劇を演じるのは初めてという吉永は「演劇の部分が映画にうまく混ざっていると思いました。私自身もとても新鮮に演じた。実際に演劇のプロが出てきて、ある時は車輪になったり、ソ連兵になったり、看護婦になったり、瞬時に変わるのが素晴らしく、見て圧倒された」と感想を述べた。

てつが店で出すおにぎりの自主練で、吉永は1日に150個ものおにぎりを握ったとか。それを食べた堺の感想は「おいしかったです!」


滝田監督は「時代設定は終戦から1970年代前半。日本人がどう生きてきたかを含めて、この映画を観た人は家族や老い、その時代をどう生きてきて、いま足りないものは何か、現代のひとが見ても共感できるのではないか。今、必要な映画だと思う。幅広い年代のひとに見てほしい」とアピールした。

「北の桜守」は3月10日(土)から、梅田ブルク7、大阪ステーションシティシネマほかで全国ロードショー。

鳴川和代

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