日本最大級のクラシックモーターショー「第10回Nostalgic 2days」が2月17日(土)、神奈川県・パシフィコ横浜展示ホールB・C・Dで開幕した。まばゆいばかりに時代を彩り、駆け抜けた名車がずらりと並ぶ本イベント。現在では見る機会の少なくなった貴重な車の中から3台をピックアップし、ご紹介する。
童夢 1979年式「童夢P-2」
一見、ランボルギーニを思わせる佇まいの「童夢P-2」は、第48回ジュネーブ国際自動車ショーに出展され、大反響を得た国産スーパーカー「童夢-零」の後継機に位置付けられる。
「童夢-零」と比べると米国で開発していたこともあり、ボディやフロントバンパーを大型化、ライトの高さなどに変更点が見られる。市場投入を目指して米国や日本でテストを重ねていたが、同時期にル・マン24時間レース参戦のプロジェクトが立ち上がり、開発がストップしてしまう。市販化が実現していれば絶大な支持を得たことは想像に難くない、幻の国産スーパーカーだ。
日産 1987年式 「F31レパードアルティマ」
“横浜”“レパード”といえば、人気刑事ドラマ「あぶない刑事」を連想してしまうが、劇中で舘ひろし演じる“タカ”と、柴田恭兵演じる“ユージ”が乗り込む「港303(港5)号」に使われているのが、「F31レパードアルティマ」。
今回、10周年記念特別企画として行われている“ジャパンプレミアムゾーン”に出展されている「F31レパードアルティマ」は、新車生産台数30台前後、純正ゴールドのサンルーフ付きは現存10台以下と言われている超希少車だ。ちなみに、“ジャパンプレミアムゾーン”に出展される計9台の車両は、全てが購入できる。「F31 レパードアルティマ」は1512万円となっているが、これを高いと見るか安いと見るかは読者にお任せしたい。
マツダ 1969年式 「ルーチェロータリークーペ」
現在、マツダでは「ONE MAZDA RESTORE(ワン マツダ レストア)」と称して、歴代の名車を1年に1台をレストアする温故知新プロジェクトを行っている。その第3弾に選ばれたのが「ルーチェロータリークーペ」だ。
新たに開発された655cc×2のロータリーエンジンを搭載して登場した「ルーチェロータリークーペ」。最高出力126ps、最高速度190km/hという性能に加え、エンジンのコンパクトさを生かしてクラス初のFF (フロントエンジン・フロントドライブ/前輪駆動) 方式を採用した。美しいボディラインと優れた走行性能から「ハイウェーの貴公子」と呼ばれるも、大学の初任給が3万円の時代に145万~175万円という強気の販売価格が設定されたこともあり、販売台数は伸びず976台で生産終了。現存する車体数は極めて少なくなっている。
「Nostalgic 2days」は見るだけではなく、購入できる車両が出展されている点もポイント。また、パーツやトミカなどのグッズ販売も行われるので、大人も子供も楽しめるイベントだ。家族と出かけて、思わず車を購入してしまったということもあるかもしれない。
安藤康之