良質なフグが手に入りやすいこともあり、フグの名店が割拠している北九州。なかでも“古式引き”という独自の引き方でフグを堪能できる店、それが「食楽庵 ふる川」(北九州市小倉北区)だ。
まさに“至ふく”。フグを秘伝の“古式引き”で味わう
親子三代に渡って受け継がれてきた秘伝の技・古式引きで味わう国産のトラフグは、淡白ながらも旨味にあふれ、ほのかな身の甘味が実に上品。焼きフグやヒレ酒など、フグの旨さを余すことなく堪能できる。
古式引きは、一般的な薄造りとは違い、厚めに切ったフグの身にさらに横から包丁を入れ、溝ができるように開く。この溝がポン酢や薬味によく絡むと同時に、フグの歯応えと身の甘味、旨味を際立たせる。一朝一夕では身に付かない熟練の技が必要なのは言うまでもない。ふく会席は5980円~。※2日前までの要予約。
「古式会席」(5980円)と「極み会席」(8980円)に付く「ふぐの串焼き(三種盛り合わせ)」もおすすめ。焼くことでフグの旨味がより鮮明に味わえるとツウの間でも評判の逸品だ。身皮焼き、二色味噌焼き、若狭焼きの3種類の味を楽しめる。
また、「北九州 食の認定ブランド」として高い評価を得るのが「とらふくヒレ酒」(780円)だ。3日ほど天日干しした国産トラフグのヒレを、2時間かけてじっくりと焙煎する。臭みもなく、フグの旨味と香ばしさが秀逸。冷酒にしても美味。
店内は和の風情があり心地よい。1階はテーブル席、2階はゆっくりと寛げる座敷となっており、個室も完備する。JR西小倉駅からも近く、接待や法要、忘新年会などさまざまなシーンに幅広く対応する一軒だ。
[食楽庵 ふる川]福岡県北九州市小倉北区室町2-10-16 / 093-592-2951 / 12:00~15:00、17:00~22:00(LO21:30) / 不定休
【撮影=有田 剛規】
前田健志