ダコタ・ジョンソンの最新主演作『マテリアリスト 結婚の条件』を鑑賞。ニューヨークを舞台に、現代の婚活市場を描いた超必見作!

東京ウォーカー(全国版)

2026年5月29日より全国公開された『マテリアリスト 結婚の条件』は、ニューヨークの結婚相談所でマッチメーカーとして働く主人公が、リッチで優しい彼と売れない俳優の元恋人との間で揺れる姿を描いたロマンティック・ラブストーリー。公開前に試写で観た本作の感想を紹介(以下、ネタバレを含みます)。

映画『マテリアリスト 結婚の条件』のメイン写真Copyright 2025 (C) Adore Rights LLC. All Rights Reserved


【ストーリー】
ニューヨークの結婚相談所で“マッチメーカー”として働くルーシー(ダコタ・ジョンソン)は、「天性の婚活カウンセラー」と絶賛され、仕事一筋の多忙な日々を送っていた。彼女は恋愛を感情だけではなく、“資産価値”でも冷静に判断するマテリアリスト(=物質主義者)で、その才能も駆使して成功を招いていたが、自身はこのまま独身を貫こうと考えていた。

そんな彼女の人生が、2人の男との出会いと再会によって激しく揺れ動く。1人はルーシーがマッチングさせたカップルの結婚式で出会った新郎の兄ハリー(ペドロ・パスカル)。身長180センチで見た目もよく、気が遠くなるほどリッチな投資家。さらに家柄も人柄も学歴も一流で、すべてが“完璧”な彼から情熱的なアプローチを受けたのだ。

一方の再会は、その披露宴の席でウェイターをしていた元カレのジョン(クリス・エヴァンス)。互いに愛し合っていたが、俳優を目指してバイトを転々とする彼との貧乏生活に耐えられず、破局していた。

ルーシーはハリーとの真剣交際に踏み出すが、夢を諦めないジョンへの想いも再燃。そんななか、クライアントがある事件に巻き込まれ、ルーシーは仕事も恋愛も岐路に立たされるのだった…。

【写真】「天性の婚活カウンセラー」として絶賛される“マッチメーカー”のルーシー(ダコタ・ジョンソン)Copyright 2025 (C) Adore Rights LLC. All Rights Reserved


ダコタ・ジョンソン×ペドロ・パスカル×クリス・エヴァンスが大人のラブストーリーで新たな魅力を開花!

本作の監督と脚本を務めたのは、長編映画監督デビュー作『パスト ライブス/再会』(2024年)が絶賛され、アカデミー賞で作品賞と脚本賞、ゴールデングローブ賞で作品賞(ドラマ部門)、脚本賞、監督賞を含む5部門、英国アカデミー賞で作品賞とオリジナル脚本賞を含む3部門にノミネートされ、インディペンデント・スピリット賞作品賞、監督賞を受賞したセリーヌ・ソン。

彼女がまだ売れない劇作家だった10年ほど前、ニューヨーク中のアーティストが経験する典型的な状況に陥っていた。生活費を稼ぐためにマッチメーカー(結婚紹介所の職員)として働き始めたソンは、クライアントたちから誰とこれからの人生を過ごしたいかという願望や、結婚に対するひどく歪んだ考えを聞いたという。

本作における現代の恋愛と結婚の矛盾についての赤裸々な考察は、人々の理想のパートナー探しを実際に手伝ったソンの実体験から着想を得ている。

セリーヌ・ソンと初タッグを組んだのは、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2015年)でスターの座を獲得したダコタ・ジョンソン。ルカ・グァダニーノ監督が伝説のホラー作品をリメイクした『サスペリア』(2019年)やマーベル映画『マダム・ウェブ』(2024年)など幅広い作品に挑戦してきたダコタは、本作でクライアントに振り回されながらも、信念を持って仕事に取り組むかっこいい女性ルーシーを演じている。

個人的には、世界的に有名な舞踊団に入団したあとにとんでもない恐怖を体験する主人公を演じた『サスペリア』のダコタがとても好きだったが、本作では現代を生きる等身大の女性を演じていて、こちらのダコタも最高だった。

彼女の出演作の中でも『サスペリア』の役と『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』シリーズの役(特殊な嗜好を持つ億万長者の男性と恋に落ちるヒロイン)の印象が強かったため、本作のようなラブストーリーに挑戦するダコタが見たかった筆者は、最初に予告編を観たときに期待値が爆上がりした。仕事と真摯に向き合いながら恋愛も楽しもうとするルーシー(ダコタ)の姿がとても新鮮だったのだ。いざ本編を鑑賞してみると、その期待どおりとんでもなくすてきなヒロインになっていた。

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ルーシーの元カレのジョンを演じたのは、『キャプテン・アメリカ』シリーズ(2011年・2014年・2016年)でその名を広く知られ、キャプテン・アメリカとして世界的大ヒットを記録した『アベンジャーズ』シリーズ(2012年・2015年・2018年・2019年)にも出演するクリス・エヴァンス。

キャプテン・アメリカのイメージが強いクリスだが、独身の叔父と母親を亡くした幼い姪との絆を描いた『giftedギフテッド』(2017年)や、ダニエル・クレイグが名探偵の役を演じる密室殺人ミステリー『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2020年)などにも出演しており、スーパーヒーローではないキャラクターを演じる彼ももちろん最高である。

マーベルヒーローの中ではキャップ(キャプテン・アメリカ)が一番好きな筆者は、映画好きの仲間の前ではクリスのことをクリエヴァと呼び、今年公開予定の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』のクリエヴァの出演シーンを心待ちにしている。その前に、本作ですてきなクリエヴァが見られたのがとてもうれしかった。

俳優を目指してバイトを転々とするジョン(クリス・エヴァンス)Copyright 2025 (C) Adore Rights LLC. All Rights Reserved


リッチな投資家ハリーを演じたのは、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(2024年)や『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025年)など超大作のメインキャストを務め、今年5月22日に公開された『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』では、伝説の賞金稼ぎマンダロリアン役を務めたペドロ・パスカル。彼は日本公開直前に来日し、スター・ウォーズファンを大いに喜ばせていた。

正直、ペドロが恋愛映画に出るイメージはまったくなかったが、本作で彼が演じたハリーはやさしくて余裕があって大人の男性の魅力満載だったため、“ペドロ、恋愛もの全然いけるやん!”と鑑賞中に心の中で叫び、想像以上のイケオジっぷりに惚れ直した。また、彼がハリーを演じたことで、ルーシーが単純にお金目当てでハリーに惹かれたわけではないのだと思わせてくれたのもよかった。

ちなみに、ペドロも『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』にリード・リチャーズ(『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』で演じた役)として登場することが発表されており、リードとキャップが絡むシーンがあるかもしれないと、密かに期待している。

リッチな投資家でビジュアルもすてきなハリー(ペドロ・パスカル)Copyright 2025 (C) Adore Rights LLC. All Rights Reserved


ファンタジーな要素とリアリティのある描写が見事に融合した100点満点の恋愛映画!

セリーヌ・ソン監督の前作『パスト ライブス/再会』は、24年間すれ違った運命の相手とニューヨークで再会する7日間を描いた作品で、“縁”という言葉をキーワードに紡がれるストーリーと美しいニューヨークの風景が印象的だった。そして、“縁”をつなげることを得意とする女性を主人公に持ってきた『マテリアリスト 結婚の条件』は、前作とどこかリンクしているようにも感じられ、観る前からとてもワクワクしていた。

セリーヌ・ソン監督と楽しそうに談笑するクリス・エヴァンスと、クリスを笑顔で見つめるダコタ・ジョンソンCopyright 2025 (C) Adore Rights LLC. All Rights Reserved


筆者は結婚相談所に登録したことは一度もなく、本作に登場するルーシーのクライアントが結婚相手を見つけようと必死な姿を見て、“どうしてそんなに結婚がしたいのだろう?”“結婚できたら幸せなんだろうか?”“子どもが欲しかったら焦るよなぁ”など、いろいろな疑問や考えがグルグルと頭に浮かんでしまった。

常にクライアントの条件にぴったりの相手を探し、紹介してきた独身のルーシーは、キャリアを積みつつも2人の男性の間で揺れ、人生を見つめ直すことになる。他人にはアドバイスできるのに、自分のこととなると途端に自信をなくし、悩み、迷い始めるルーシーに人間らしさを感じてとても共感できた。

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高級な店に連れて行き、自分には価値があると思わせてくれるハリーと、30代で友達とルームシェアをしていてバイト暮らしのジョン。間違いなくハリーを選んだ方がいいに違いない…のだけど、嫌いになって別れたわけでもなく、今も俳優という夢を目指しているジョンにも心が傾いてしまうルーシーの気持ちもよくわかる。ただ、ハリーのようなハイスペックな男性と出会えたのは奇跡であり、バイト暮らしの30代男性がクリエヴァのビジュアルなわけがないため、その点に関してはファンタジーとして楽しむしかなかった(笑)。

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本作の魅力は、ただのロマンティックラブストーリー映画ではないところにある。ルーシーのクライアントが怖い目に遭い、それが原因で訴訟問題に発展したり、ルーシーが相手の資産価値を計算してしまうなど、リアリティのある場面がたくさん登場する。そういった描写とファンタジー要素が見事に融合しているからこそ物語にグッと引き込まれ、感情移入しながらこの作品を楽しむことができるのだ。

婚活のプロであるルーシーは最後にどんな選択をするのか。ぜひ劇場で鑑賞してもらいたい。

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文=奥村百恵

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