【彼がパワハラ上司になった理由】周囲に威圧的な態度を取るパワハラ男は少年時代、「期待外れ」と言われ続けていた!【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

加恋のマッサージで、彼の心の奥に残る辛い記憶が涙と共に溢れ出す。

メンズエステを舞台に、心に問題を抱えた客と謎めいた女性・加恋の出会いを描く創作漫画「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」。今回登場するのは、常にイライラし、周囲に威圧的な態度を取ってしまうパワハラ気質の男だ。作品を手がけた蒼乃シュウさん( @pinokodoaonoshu )に、加恋の最初の客として彼を選んだ理由や、物語に込めた思いを聞いた。

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なぜ人にキツく当たる?

加恋の最初の客として登場するのは、パワハラ気質の男だった。蒼乃さんは「客として登場する男たちは、いつも必ず何かの問題を抱えています。一番わかりやすい問題はモラハラやパワハラをしてしまう人かな?と思い、最初の客にしてみました」と語る。

男の脳裏によみがえったのは、幼いころに父から受けた言葉だった。自分を認めてもらえず、「期待外れ」と言われ続けた記憶。その傷は大人になった今も消えず、知らないうちに他人への態度にも影を落としていた。

「パワハラは悪い」で終わらせない…原因は自分の中に?

蒼乃さんは、パワハラやモラハラを一方的に断罪するだけではなく、「なぜそうしてしまうのか」を考えることを大切にしているという。「誰でも大なり小なり、無意識に他人にモラハラやパワハラをしてしまうことがあると思います。他人に対してついイラッとしてしまったり、意見が違う人に出会うと受け入れるより先に反論してしまったり」と話す。

親しい相手には甘えから感情をぶつけ、カッとなってキツい言葉を言ってしまうこともあるのではないか。そんな行動の背景には、自分でも気づいていない傷や、まだ癒やされていないトラウマが隠れている場合もあるという。

「『パワハラやモラハラは悪い!』と一方的に攻撃するよりも、なぜ他人にパワハラやモラハラをしてしまうのだろうと掘り下げた方が、解決に繋がると思っています」と、作品に込めた視点を明かした。

ずっと欲しかった「あなたはちゃんとがんばっています」

今回のエピソードは、加恋という人物の自己紹介のような意味合いもある。蒼乃さんは「1話目ですので、まずは加恋の自己紹介という感じです。こんな感じで毎回客を癒やしていく物語です」と説明する。

ただし、加恋はただ客を癒やすだけの存在ではない。「加恋はメンエス嬢だけど、決して客を依存させません。つまり、リピートさせないメンエス嬢なんです。実際にそれではやっていけませんが、そこは漫画ですので…(笑)」と笑う。今回、加恋から「あなたはちゃんとがんばっています」と言われた男は、父から本当に言ってほしかった言葉を思い出す。そして同時に、その言葉は自分自身も誰かに伝えたかったものだったと気づく。

「また指名してもいいかな」加恋の意外な返事とは?

心の奥にあった傷と向き合い、救われた男は加恋に「また指名してもいいかな」と尋ねる。しかし、加恋は「あなたはもう大丈夫ですよ」とほほ笑む。癒やしを求めて訪れた客を、自分に依存させるのではなく、再び自分の足で歩き出せる場所へ送り出す。それが加恋の“職業は恋愛”という物語の形なのかもしれない。

彼が今後、この店を訪れることはないだろう。次に加恋の前へ現れるのは、どんな悩みや傷を抱えた客なのか。心の奥にある問題を解きほぐしていく、加恋の物語に注目したい。

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■取材協力:蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)

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