もし自分の親が老害だったら?「順番を抜かすなんて許せん」店員を大声で怒鳴りつける父親→周囲の冷たい視線に耐えられず娘が謝罪する地獄【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

「俺たちよりあとに来ただろ。順番を抜かすな、非常識だぞ!」お寿司屋で怒鳴り散らす父!周囲の冷たい視線が痛い...画像提供:(C)西野みや子

混雑している寿司屋。店員が人数の少ない客を優先してカウンター席に案内すると、「俺たちよりあとに来ただろ。順番を抜かすな、非常識だぞ!」と父親が怒鳴り出した。順番がきても「お金を払うお客様に対して失礼だろ!」と不機嫌なままで、周囲から冷たい視線を浴びてしまう。今回は、西野みや子(@miyakokko61)さんの漫画『わたしの親が老害なんて』を紹介するとともに話を聞いた。

【漫画】本編を読む


身近に潜む古い価値観

『わたしの親が老害なんて』38画像提供:(C)西野みや子/KADOKAWA

『わたしの親が老害なんて』39画像提供:(C)西野みや子/KADOKAWA

『わたしの親が老害なんて』40画像提供:(C)西野みや子/KADOKAWA


80代になる両親は、娘の栄子が小さいときはとてもありがたい存在だった。しかし夫婦2人の時間が当たり前になると、こだわりの買い物をさせられたり、店でクレームを言ったりと、世間とのズレに気づかず悪びれない親の代わりに栄子が謝罪することも増えた。「老害」と呼ばれるのが自分の親だという事実に栄子は直面する。

作者の西野さんは、「『老害』は誰にでも潜む可能性があることを伝えたかったので、話を聞いてくれない祖父母など、あえてどこにでもいるような登場人物にした」と語る。年齢に関係なく、自分の価値観や経験を他人に押し付けたり、異なる文化や考え方を受け入れようとしない態度が、そうした摩擦を生む原因になるのではないかと考えているそうだ。

親は「最低2人産むのが母親の務めだろ」と悪気なく言ったり、「男の人は外で稼いできてくれるんだから」と早く家庭に入るよう言ったりと、古い価値観を押し付けてくる。孫の美咲に対しても、つわりを無視して寿司の出前を強行し、「染めた髪は赤ちゃんに悪い影響がある」と生き方を否定する。

自省するきっかけに


作中で描かれるエピソードには、西野さん自身の体験が反映されている。「私が今まで生きてきて、女性の生き方や子育ての仕方などの古い価値観に直面することが多くあった。妊娠中につわりがひどくても『2人分食べないと』と言われたり、無痛分娩を反対されたりした。子どもが生まれて漫画家として活動し始めたのにもかかわらず『旦那さんは仕事があるから母親が家事育児をしないと』と言われたこともある」と明かす。

栄子は娘の味方だと思っているが、長年両親から言われていたことが無意識に体に染み込んでいることもわかるという。「親世代やその上の世代から言われて感じた違和感を多く描いているので、注目していただけるとうれしい」と西野さんは語る。

「『老害』という言葉はインパクトが強く軽々しく使うべきではないと思うが、その実態は特別なことではなく、私たちの身近な人や自分自身にも起こりうるもの。この作品を通じて彼らの背景を知ることで、私たちも同じ道を歩まないように自省するきっかけになればうれしい」と締めくくった。

【漫画】本編を読む


取材協力:西野みや子(@miyakokko61)

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

注目情報