近年は連続テレビ小説『あんぱん』や『ちはやふる-めぐり-』など話題作への出演、そしてドラマ『るなしい』や映画『見える子ちゃん』などの主演を務め、注目を集めている原菜乃華さん。最新出演作の『5秒で完全犯罪を生成する方法』では、重岡大毅(WEST.)さん演じる主人公の妹を演じている。
犯罪を隠蔽するために生成AIを利用した兄妹が、予期せぬ事態へと巻き込まれていく姿を描いた本作の撮影秘話や演じた役柄、さらにおすすめのアニメ作品について語ってもらった。
兄・航は親代わりのような存在「犯罪を犯した瞬間に、反射的に頼ってしまったんだと」
――重岡大毅さん演じる兄・航と、原さん演じる妹・幸来(さら)が、生成AIを駆使して事件を隠蔽しようする姿が描かれています。最近はAIを利用する人が増えているので、とてもリアリティがあると感じました。
【原菜乃華】私も最初に脚本を読んだときに、本作のようなことが実際に起きてもおかしくないなと感じました。AIがとても身近になった今だからこその怖さがあるので、そこが本作の魅力だと思います。
――ちなみに普段AIは利用されていますか?
【原菜乃華】よく利用します。普通の洗濯では落ちない汚れがあると、「どういう洗剤を使ったらいい?」とChatGPT(米国のOpenAI社が開発した生成AIサービス)に聞くと、一番正解っぽいことを教えてくれるので便利だなぁと(笑)。でも、ついAIを頼ってしまうので、ほどほどにと思いつつも……課金してしまっています(笑)。
――本作の監督を務めた近藤亮太さんはホラー映画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』の印象が強かったので、まさか次回作がAIを扱った作品になるとは思っていませんでした。近藤監督とご一緒されてみて、どんな印象を受けましたか?
【原菜乃華】監督はすごく温厚な性格で、現場でお会いするのが楽しみなほどすてきな方でした。印象に残っているのは、衣装合わせのときに、「この映画は幸来が好きだと思うので参考に観ておくといいですよ」と言って『2分の1の魔法』というディズニーのアニメ作品を教えてくださったこと。これまで、監督から映像作品を役作りの参考におすすめしていただくことがなかったので、とても新鮮でユニークな方だなと思いました。
――それもある意味演出の一つですよね。
【原菜乃華】そう思います。『2分の1の魔法』を観て、監督の言いたいことがなんとなく伝わってきたというか、“なるほど”といろいろなことが腑に落ちて、幸来という役をつかむうえでとっても参考になりました。
――現場ではどのような演出がありましたか?
【原菜乃華】演出に関しては特にリクエストはなく、幸来という役を任せてもらえているんだなと感じられて、すごくうれしかったです。
――意図せずに犯罪を犯してしまった幸来をどのような人物だと捉えて演じられましたか?
【原菜乃華】どこにでもいる普通の女子高校生で、天真爛漫だけど、10代特有の“狡さ”や“甘さ”も持っている、そう捉えて役作りしていきました。親の代わりにずっと面倒を見てくれて、自分に何かあったらいつでも助けてくれる年の離れたお兄ちゃんがいたからこそ、幸来は無邪気に育つことができたんじゃないかなって。
だからきっと、犯罪を犯してしまった瞬間に、反射的にお兄ちゃんを頼ってしまったんだと思います。そういったことを意識しながら演じていました。
背景があまり描かれない幸来という役柄「全体像を考えて微調整しながら演じたのは初めて」
――重岡さんとの撮影で印象に残ったエピソードを教えていただけますか。
【原菜乃華】常に太陽のように明るくて、現場を和やかな空気にしてくださっていました。撮影初日からたくさん話しかけてくださったおかげで、割と早い段階から関係性が作れていたので、重岡さんには感謝しかないです。
――現場ではどんな会話をされていたのですか?
【原菜乃華】最初からすごく砕けた感じで話しかけてくださって、会話中にツッコミを入れられることもありましたし、時には本当のお兄ちゃんみたいにダル絡みされることも(笑)。ぶっきらぼうなのに優しい航さんとどこか重なる部分もありましたし、とにかく現場では私に気を遣わせないようにしてくださっていました。一緒にいて居心地がいいというか、すごく気配りされる方だなと感じました。
――トップ女優・七希を演じた田中みな実さんとの撮影はいかがでしたか?
【原菜乃華】田中さんと一緒のシーンは少なかったのですが、カメラが回っていないときに“甘いものが好き”という共通点を見つけて、スイーツの話で盛り上がっていました。田中さんはチョコレートが大好物で、すごく詳しいので、「こういう種類のチョコレートが好きです」と何気なくお話ししたら、後日、私の好みに合わせたチョコレートをセレクトしてプレゼントしてくださったんです。
チョコレートと一緒にお手紙も入っていて、「このチョコレートは常温に戻してから食べてね」とメッセージまで書いてくださったことに感激しました。
――田中さんセレクトのチョコレートは日本では手に入らないものも入っていたのでは?
【原菜乃華】確かに日本では見たことのないような珍しいチョコレートも入っていて、ものすごくおいしかったです!メッセージからも愛を感じましたし、すてきな方だなと思いました。
――スイーツ以外だとどんなお話をされたのでしょうか?
【原菜乃華】美容に関するお話をしたのを覚えています。休憩中は重岡さんを交えて三人で会話することもあったのですが、重岡さんと田中さんが漫才のようなおもしろいやり取りをされるので、笑いが止まらないなんてこともありました(笑)。緊張感のあるシーンが多かったのですが、カメラが回っていないときは和気藹々とした雰囲気で楽しかったです。
――楽しそうな現場の雰囲気が伝わってきます。その反面、物語の終盤では兄妹が危険な状況に陥ったりするので、大変な撮影もあったのでは?
【原菜乃華】お芝居でというよりは、どちらかというと寒さに耐えるのが大変でした。撮影期間が真冬で、廃工場でのロケ撮影だったのでカイロを全身に貼りまくって挑んでいました。なので、よく見ると着膨れしているかもしれません(笑)。
――幸来という役をとおして挑戦できたことがあれば教えていただけますか?
【原菜乃華】幸来は、序盤から自分の犯した罪によって追い詰められることになるので、背景があまり描かれないまま怒涛の展開がスタートします。そのために、お客さんは彼女がどういう人間なのかわからないまま兄妹の言動を追っていくしかない。だからこそ、私自身がしっかりと幸来のキャラクター性をつかんで演じなければいけないというプレッシャーがありました。
しっかりと役を理解したうえで、彼女の人間性が少しずつ見えてくるように意識しながら表現しなければいけなかったというか。今回ほど全体像を考えて、微調整しながら演じたのは初めてに近い経験だったので、そういう意味では新しい挑戦ができたように思います。