特別公開講座・横浜学「横浜と防災」が開催!

横浜ウォーカー

関東学院大学×横浜ウォーカーのコラボイベントとして開催されている特別公開講座「横浜学」。2018年4月15日、第30回となる講義が開催された。テーマは「横浜と防災」。

「防災」というテーマに100人を超える受講者が集まった会場。貴重な話に頷きながら、熱心に聞き入っていた


最初の登壇者は神奈川新聞 報道部記者の渡辺 渉(わたなべ わたる)先生。「未曽有の災禍に学ぶ」と題し、横浜市や神奈川県全域における関東大震災の被害状況と復興について解説してくれた。大火による甚大な被害で知られる関東大震災だが、津波や土砂崩れ、液状化などの被害も大きかったという。

続いて関東学院大学学長であり、理工学部教授の規矩大義(きく ひろよし)先生が登壇。横浜特有の地形を例に、地盤災害のリスクと防災の考え方を紹介してくれた。また液状化のメカニズムについても解説。東日本大地震で液状化被害があった港北区小机駅周辺の状況にふれ、被害予測の難しさと対策の必要性を説いた。

最後に登壇したのは元新潟県小千谷市職員で、現在は中越防災安全推進機構の特任コーディネーターを務める吉原昌隆(よしはら まさたか)先生。2004年(平成16)に発生した新潟県中越地震について、自身の被災体験をもとに振り返ってくれた。避難所では大人たちが対応に追われる中、小学生高学年から中学生の子供たちが自発的に年下の子供たちの面倒を見ていたという。当時の写真とともに被災者の生の声を伝えてくれた吉原先生。未来に向けて「避難所では子供たちに教えられることも多くありました。この経験をこれからの世代に伝えていかなければなりません」と決意を語った。

取材する立場、研究する立場、被災を経験した立場の3者3様の視点から「防災」について語られた今回の講義。「防災」の重要性について、あらためて考え直すきっかけとなった。

次回は「横浜とフランス」をテーマに2018年6月中旬に開催予定だ。

取材・文・撮影/P.M.Aトライアングル

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