2026年9月29日、ネスレ日本株式会社(以下、ネスレ日本)による「大人の健康計画」の発表会が東京・原宿で開催。そこで共有されたのは、健康への関心が高まる一方で、健康と向き合うこと自体に負担を感じてしまっている現代人のリアルな姿だった。
「大人の健康計画」では、健康のために新しいタスクを増やすのではなく、毎日の暮らしにある“いつもの一杯”を置き換えてみることを提案。10月1日から始まるこの取り組みの背景には、どんな思いがあるのか。発表会では、担当者によるプレゼンテーションや、専門家を交えたトークセッションで、無理なく続けられる“新しい習慣の形”が紹介された。
発表会で明かされた「健康疲れ」のリアル
発表会の冒頭、ネスレ日本 飲料事業本部 ホワイトカップビジネス部長の都間友紀子さんから、今の日本の暮らしを映し出すデータについて説明があった。
日本は世界有数の長寿国で、OECD加盟国を対象とした調査でも、平均寿命は84.4歳と世界で一番長い。一方で、自分の健康状態を「良い」と感じている人は36.6%にとどまり、対象国の中で下から2番目という結果が出ている。長く生きられることと、日々の「元気だな」という実感との間には、大きなギャップが存在していると言える。
さらに、全国の20~60代の男女1000人を対象にした独自調査では、健康のためにやりたいことを「十分に実践できている」と答えた人は、わずか5.1%。8割以上の人(80.5%)が「十分ではない」と感じており、その理由の1位には「つい後回しにしてしまうから」が挙がっていた。
そこから浮かび上がってきたのが、約2人に1人が抱えているという「健康疲れ」の実態だ。調査を見ると、56.1%が「健康のために頑張ろうとするほど負担に感じる」、53.0%が「健康について考えること自体に疲れる」と答えている。健康にまつわる情報や選択肢があふれるあまり、67.7%が「多すぎて選ぶのが大変」と感じており、40代にいたっては、74.0%が「迷った末に結局何も選ばないことがある」とのこと。
健康になりたくないのではなく、大切だとわかっているからこそ、あれこれ迷って足が止まってしまう。そんな暮らしのなかのモヤモヤを受け止めたことが、「大人の健康計画」の出発点になったそうだ。
暮らしの3つの変化に着目した新しい選択肢
健康のために新しいToDoを増やすのではなく、すでにある日常の飲み物を置き換えることを提案する「大人の健康計画」。成分ありきではなく、「活動」「休息」「栄養」という日々の暮らしで感じる3つの変化に着目したラインナップがそろう。
いずれも計量いらずのスティックタイプで、10月1日から登場した4本入り(375円・希望小売価格)と、11月1日(日)から発売されるAmazon限定の30本入り(2997円・希望小売価格)が用意されている。
日中の体づくりを支える「ネスカフェ プロテイン カフェラテ」
年齢とともに筋肉量が減っていくなかで、自分らしく動き続けるための体づくりを支える一杯。日中のコーヒーやカフェラテを置き換えるだけで、1本当たり4.0グラムのたんぱく質とビタミンB6が手軽にとれる。コク深いコーヒーとまろやかなミルクが重なる濃厚な味わいで、プロテイン特有の飲みにくさを感じさせない。
夕方や夜のひと息に寄り添う「ネスカフェ GABA カフェインレス ラテ」
夜の睡眠や休息を意識する人に向け、夕方から夜にかけて自分を労わる時間の一杯として作られている。GABA100ミリグラムに加え、ビタミンB6、ビタミンB12を配合し、カフェインは97%カット。コーヒーの豊かな香りとクリーミーな味わいはそのままに、夜でも安心して楽しめるカフェインレス仕様になっている。
毎日の食事にプラスしたい「ネスレ おとなミロ 1日分の鉄分」
日々の食事で不足しがちな栄養素、とりわけ鉄分を手軽に補いたい人に向けた製品。朝食の飲み物を置き換えるだけで、1杯分(ミロ1本+牛乳150ミリリットル)で1日分の鉄分6.8ミリグラムに加え、カルシウムやビタミンDまでしっかり補える。大人の味覚に合わせ、甘さを控えめに整えた栄養機能食品だ。
無理なく続く習慣づくりのヒントとは?
発表会の後半で行われたトークセッションには、老年学者の島影真奈美さんと、予防医学研究者の石川善樹さんが登壇。都間さんとともに、現代人の心理や健康習慣の続け方、質疑応答で飛び出したライフスタイルの話題にいたるまで、活発な対話が繰り広げられた。
石川さんは、「健康疲れ」の心理について、“子どものころに宿題をやろうと思っていた矢先に親から「勉強しなさい!」と言われたときのイラッとする気持ち”に例えて、わかりやすく話してくれた。自覚症状もなく元気に暮らしている人にとって、健康は大切ではあっても、日々の優先順位で文句なしの1位というわけではない。大切だとわかってはいるが、最優先にはできない事柄を周りからあれこれ求められると、どうしても気が重くなってしまうものだ。
また、石川さんによると、江戸時代まで日本に「健康」という言葉はなく、心身を整えることは「養生」と呼ばれていたのだとか。「明治以降に広まった『健康』という言葉が、いつの間にか“せねばならぬ”という義務感をまとってしまったのではないか」と推測する。
老年学を専門とする島影さんは、WHO(世界保健機関)による「健康的な老い」の定義に触れながら、「単に病気ではないことではなく、『今まで大切にしてきたことを、これまで通り大切にできること』こそが本質」と語る。老いのメカニズムはとても複雑で、“これさえ食べれば安心”という特効薬があるわけではない。だからこそ、たった一日だけ100点を目指して気合いを入れるのではなく、日々の生活のなかで無理なくできる小さな積み重ねこそが、将来の健康につながっていく。
実際に製品を口にした2人からは、率直な感想も。島影さんは「健康をうたう食品にありがちな味の先入観が覆るおいしさに驚いた」と話す。特に「おとなミロ」については、冷たい牛乳を注いでもダマにならず、サッと素早く溶けたことに触れ、慌ただしい朝のルーティンにも無理なく取り入れられる手軽さを評価していた。
石川さんは、通常のスティックコーヒーと比べて倍以上もある粉末の量に、「こんなに入れるの?」と驚いたそうだ。パウダー加工を得意とするネスレならではの技術で素早く溶け、鉄分やプロテインの気になるクセを感じさせない仕上がりに、感心しきりの様子だった。
話題が「日々の暮らしとの相性」になると、より身近な視点からの言葉が続いた。SNSでの反響やライフスタイルとの親和性を問われた都間さんは、「手軽さを求める『ズボラ』という感覚は決して悪いことではなく、生活者の切実で素直なニーズであり、今回の製品ともすごく相性がいいはずだ」と語る。島影さんからも、「朝起きてすぐにバタバタと動き出すのではなく、お気に入りの一杯を片手に手帳を開いて予定を確かめるような、丁寧な朝の時間を支える飲み物としても合いそう」と感想が述べられた。
習慣化のメカニズムを研究する石川さんは、「『始める理由』『続ける理由』『やめられなくなる理由』はそれぞれ違う」と説明。始めるきっかけは日常のちょっとした延長でよく、続けるためにはその一杯が「おいしい」「楽しい」と感じられることが欠かせない。続けていくうちに体の調子や心地よさを実感できれば、無理なく自然と定着していくとのことだ。
さらに、世界の長寿地域が山間部に多く、日々の階段や坂道の上り下りによって足腰が鍛えられている例を挙げながら、「個人の強い意志に頼るよりも、“自然と健康になれる環境づくり”こそが大切だ」と話してくれた。「一日1万歩」と気負うのではなく、「音楽3曲分(約10分・1000歩)だけ歩いてみよう」とハードルを下げるのと同じように、いつもの飲み物を置き換える工夫も、暮らしの環境を整える自然なステップとして理にかなっている。
朝、冷たい牛乳にミロをサッと溶かして飲む時間。日中、仕事の合間にプロテイン入りのラテで一服する時間。夜、一日の終わりに温かいカフェインレスラテでほっとひと息つく時間。
ネスレ日本が掲げる「気づいた今が健康初日」という言葉のとおり、生活を大きく変えようと意気込む必要はない。いつものマグカップの中身を少し変えてみることが、無理のない健康習慣の第一歩になりそうだ。頑張りすぎずに自分を労わる、そんな新しい向き合い方のヒントが詰まった発表会だった。
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