深夜の校庭で主人公が目にしたのは、血にまみれた親友・杏美の手だった。「だめ…逮捕されちゃう」と泣きすがる杏美を前に、主人公はある人物へ電話をかける。そして静かな声で「助けてくれませんか」と告げたあと、続けた言葉は「死体の処理を…」。10年前に起こった女児失踪事件の真相を追うミステリー漫画「犯人を予想する漫画『仮門』」で、主人公と杏美が抱えていた衝撃の過去が明かされた。
親友だった2人が、共犯者になった夜
本作は、10年前に起こった幼女失踪事件の真相を追っていく物語だ。最新話の第7話では、これまで主人公の脳裏に時折よみがえっていた暗い記憶の正体が描かれる。高校時代、主人公と杏美は単なる親友ではなかった。ある出来事をきっかけに、2人は共犯者になっていたのだ。
プロットを考えていた際、女性が1人で出産して逮捕されたというニュースが続いたことから、「じゃあそこにもう1人女性がいたらどうなる?」と想像したことが、このエピソードにつながったという。
「これでいつもの日常に戻れるはず」
作中では、予期せぬ妊娠によって赤ちゃんを産み落としてしまった女性と、その友人が遺体を処理することで共犯関係となる。作者の鳩ヶ森
(@hatogamori)
さんは、この関係を単に「一緒に犯罪を犯した」という構図だけでは描いていない。「子宮という臓器を持つ性としての連帯であったり同情であったり、『これでいつもの日常に戻れるはずだ』という愚かな祈りであったりするはず」と語り、女の友情のひとつの側面として描いたという。
もちろん現実ではあってはならない出来事。それでも、追い詰められた2人が抱えた感情を丁寧に描くことで、過去の秘密が現在の物語へと重くつながっていく。
杏美が抱える「子ども」への複雑な感情、その先にあるもの
さらに第7話では、動画配信サイトでの生ライブを通して杏美側の視点が描かれる。意味深な言動を見せる杏美だが、その理由は次の第8話で明らかになるという。過去のつらい経験から「子ども」という存在に複雑な感情を抱えている杏美。その感情が、行方不明になった七海とどう関わっていくのかは、今後の展開に委ねられている。
また、本作には“愛情”という裏テーマもあり、今後は謎解きだけではない部分も描かれていく。第7話では、主人公の娘が失踪する直前に埋めたというタイムカプセルの缶を、杏美が手にしている場面も描かれた。以前、主人公がその缶を見て「誰からもらったものなのか」と不審に思ったとき、杏美は何も語らなかった。
なぜ、あのとき口を閉ざしていたのか。10年前の事件と杏美の過去、そしてタイムカプセルがどう結びつくのか――。まだ多くの謎が残る「仮門」の行方から目が離せない。
■取材協力:鳩ヶ森(@hatogamori)
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