超人気の「地球ゴージャス」、大阪だけのお楽しみあり!VOL.1

関西ウォーカー

岸谷五朗と寺脇康文の人気演劇ユニット「地球ゴージャス」の最新作「ZEROTOPIA」が登場。前回の「The Love Bugs」から2年ぶりだ。

舞台「ZEROTOPIA」は7月にフェスティバルホールで上演


豪華客船が沈没し、必然的に生き残った男女が無人島に流れ着く。地図になく、色彩もない島で、さまざまな過去を持つ彼らを陰謀が待ち受ける。その島を起点(ゼロ)として、彼らは島をユートピア(理想郷)にできるのか、ディストピア(地獄郷)となるのか…。この物語を、歌、ダンス、アクション、ギャグ満載で作り上げる一大エンターテインメント。“生”というテーマ、そして「『今の地球をみんなで考えませんか?』というような、今しかないテーマが盛り込まれています」と寺脇。

いつも毎回話題となる豪華キャストには、地球ゴージャス初参加となる柚希礼音と西川貴教をW主演に、新田真剣佑、宮澤佐江・花澤香菜(Wキャスト)らが出演。メンバー総勢35名で12万人の観客動員を目指す。「ZEROTOPIA」は4月9日に東京で開幕し、愛知、新潟、福岡、広島と巡演、そしてツアーの大千秋楽は大阪、フェスティバルホールだ。

3月中旬に「今、東京で絶賛稽古中。とてもいい仕上がりです」と語る岸谷をはじめ、柚希、西川、寺脇の4名が来阪。会見の後、岸谷&柚希を個別に取材した。

●会見の風景

個別取材は会見と同じ広い会場で行われた。インタビューは誰を? 1人? 誰と誰の組み合わせで? 各媒体は事前に希望を出す。私が岸谷さん&柚希さんを取材中、同じ部屋では西川さんが単独取材を受けていた。寺脇さんは番組の収録中だ。さまざまな組み合わせを限られた時間内で仕切るのも大変、次から次へずっと笑顔で話し続けるのも大変、取材時間まで約3時間待機するのも大変。カメラマンたちはセッティングとバラしを、できるだけ静かに速やかに交代で行なっている。イメージしながら読んでください。まずは会見から。

稽古は毎日感動することだらけと話す柚希礼音


【ごあいさつ】

柚希:地球ゴージャスは何回か観させていただいていて、いつか出たいなと思っていたので、すごくうれしいと思いつつ、自分はどういう役どころかなと楽しみにしていました。そして、いざお稽古が始まると、自分が思っていた想像を裏切られる、さらに違ったところから五朗さんが私に当て書きしてくださったんだなぁという愛を感じつつ、今までやったことのないような経験をたくさんしています。地球ゴージャスは、劇団のような、家族のような、すごくあたたかい雰囲気ですよね。毎日ウォーミングアップを一緒にしたり、いろんなことで絆がさらに深まった上で舞台を作るんだなと、毎日感動することだらけで稽古してます。あと、ミュージカルの方以外の方とご一緒する機会がいままであまりなかったので、すごく刺激的です。

西川:このように長期間、大きな舞台に立たせていただけること、また地球ゴージャスというカンパニーに迎え入れていただいて、本当にうれしく思っております。僕自身も、これまでやらせていただいた役とはまた全然違った、おそらくこの作品でしか出せない自分を求められているのかなと。稽古をしていく中で、ひとりひとりがこの作品を彩る大切な役割を担う方ばかりだと感じます。また、地球ゴージャスが、なぜこれだけ愛されるかということを、カンパニーの皆さんからもすごく教えていただいているような気がします。岸谷さん、寺脇さんの指導の下にさらに磨きをかけ、大阪公演を迎える時には、皆さんに喜んでいただける、楽しんでいただける作品にしていきたいと柚希さんと共に思っております。是非とも応援のほど、よろしくお願いいたします。

【見どころ】

寺脇:舞台の中央でダイナミックに歌い踊る柚希礼音さんと、同様にセンターでダイナミックな歌声を聴かせてくれる西川さんと2人がいますので、音楽の力がみなさんに伝わると思います。そして2人ともギャグをやっていただきますし、すごく繊細な演技もやっていただいています。東京公演などを経て、最後に大阪のフェスティバルホールで有終の美を飾りたいですね。7月なので、だいぶ先なんですけど、それまでどんどん毎日をブラッシュアップしてやっていきたいと思っております。

【画像を見る】岸谷は「最新作『ZEROTOPIA』は2018年に発表すべき作品なんだなと思っている」と話す


【作品の着想】

岸谷:基本的に地球ゴージャスの作品に関しては、その年に自分が生きてる今、何を言うべきかというところにいつも立ち返ります。前回の「The Love Bugs」が終わった時から、脚本作りの基本が始まってたんだと思います。いろんなところに電波を張っていたものが一つにまとまっていったという感じでしょうか。多分、2018年に発表すべき作品なんだなと、今も思っています。

【キャスティングのポイント】

岸谷:合計35名のキャストなんですが、礼音ちゃんも西川君も含め、全員エンターテイナーなんですけれども、みんな生きてきた成り立ちが全部違うんですね。ある意味、この無人島に集められる人間たちというのは特別な過去があって、それで今、ある島にみんなが集められる。礼音ちゃんは宝塚歌劇団でトップのエンターテイナーになり、西川君はT.M.Revolutionで音楽界のトップになり、そして新田真剣佑はアメリカで芝居をやり、宮澤佐江ちゃんはアイドル界でエンターテイナーとなり、花澤香菜ちゃんは声優界で。で、寺脇はなんかウロウロしてるおじさんだけど(笑)。そういうキャスティングを35名全員にしています。特別な才能を、特別な能力を持った人たちが集まっている、今回のゲストの狙いはそこにあります。今までのゴージャスの中で、曲数、踊り含め、このメンバーであるからこそできるエンターテインメントが今、作られています。

【それぞれの役柄】

岸谷:秘密です(笑)。ただならぬ過去を持ってる人たちが何かの理由によって集められた。何を背負ってきたかということを、本番で観ていただきたい。たくさんのブロードウェイ作品のほとんどが、ストーリーが明かされている中でロングラン公演を打っている。僕らは、お客様に対して、中身をなるべくなら秘密にしておきたいという気持ちがあるんです。

【キャストたちの新たな発見】

岸谷:35人のすぐれた役者、パフォーマーが集まってくれていて、その中でメンバー全員を従えて踊るシーンが柚希礼音には当然あります。そのゼロ番を堂々と演じきれるっていう柚希礼音は素晴らしい女優さんで、エンターテイナー。踊りだけじゃなくて、芝居、歌、アクション、何を取っても一流の人より1.5倍ぐらい出来る。それは演出家として、宝の箱をもらって開けたら素晴らしい役者がポロポロ出てくるという…快感でいっぱいです。西川君は、たくさんの違う分野の才能が西川貴教の中にあふれているんですね。興奮する歌も切ない歌も歌い、それがすごく難しい特殊な芝居との相乗効果で役の魅力が倍増しているという。今のキャスティングは、ほんとにうれしい限りですね。新田真剣佑も、宮澤佐江ちゃんも、花澤香菜ちゃんも、みんな期待を上回る飛び道具をもっていてくれて、今ますます手ごたえを感じてます。

舞台「ZEROTOPIA」のPRで来阪した岸谷五朗(左)と柚希礼音(右)


【大阪公演にむけてメッセージ】

柚希:地球ゴージャスで大阪に来れることを、すごく楽しみにしています。フェスティバルホールに立つのは初めてなので、すごく新鮮な気持ちで大阪公演に挑めるなぁと。いろいろな場所を回って、最終的に大阪で自分がどうなっているのか楽しみなので、そのあたりも観ていただければと思っています。

西川:大阪に来る頃にはいろんなものを得て、きっと関西の皆様が喜んでいただける舞台をお届けすることが出来ると思っております。僕はいつもコンサートで関西の皆さんには助けていただいているんですけれども、何よりも舞台で大阪に来れることがほんまに嬉しいので、その気持ちを舞台上からパフォーマンス、また歌声でお返しできればと思っています。

寺脇:地球ゴージャスは、いつも僕と岸谷五朗ふたりぼっちなもんですから、毎回どんな木々が育って、どんな花が咲くのかというのを僕らも楽しみに舞台作りをしています。さて今回の「ZEROTOPIA」は、どんな形の木でどんな花が咲いているのかを、熟し切った実を食べにフェスティバルホールに来ていただきたいと思います。

岸谷:大阪のお客様は日本の中で一番ブロードウェイに近い観客だと思っています。喜んだり悲しんだり、様々な感情を出してくれて、我々演劇人を育ててくれる観客がいるのが大阪だと思っています。毎回、大千穐楽に大阪を選んでいます。それは次への作品への勇気をもらえたり、その作品がどんな形で成就するか、いつも我々は幸せなことに幸せな作品にさせていただいています。この「ZEROTOPIA」も、大千穐楽を迎える大阪で、幸せな作品になればとほんとに心から思っています。是非劇場に足をお運びください。本日はありがとうございました。

VOL.2へ続く(https://news.walkerplus.com/article/144659/)

小笠智子

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