「傷があるので交換していただきたい」本を持ってカウンターにやってきたお客さん。見た目は綺麗な本なのに「光に当てるとわかります」と、角度をつけてカバーの傷を見せた。今回は、漫画家・佐久間薫さんが描く書店員の裏側「カバーいらないですよね」より、ちょっとクセが強い「美本を希望するお客」を紹介したい。
本屋に直接赴くからこそのよさもある
近年では、さまざまな本をネットで手軽に購入することができる。しかし一方で、漫画家・佐久間薫さんは自身の書店員経験から「やっぱり本屋は楽しいと思います。本屋の店内をぶらぶら当てもなく見て回り、探してもいなかった魅力的な本を見つけることってありますよね?また、うちの店は特に地域密着型なので、常連のお客さんが店員と雑談することも多いです。そういった楽しさは、実店舗ならではだと思います」と本屋に直接赴くからこそのよさがあると語る。
作画を鉛筆で描き、パソコンに取り込んで仕上げられた本作について「鉛筆の細かなグラデーションを残したいので微妙な調節が難しく、回によって濃淡のバランスが違ったりします(誰も気づいてないと思いますが(笑)、まあ、それも味わいとして読んでいただけたらと思います」とこだわりを語る佐久間さん。
本作「カバーいらないですよね」は、今回のエピソードのように美本にこだわる人や、ちょっと変わったお客にも対応する書店員の日常を描いた作品である。佐久間さんは「(本作は)事実をもとにしているお話が多いですが全部ではありませんし、漫画用にアレンジもして描いています」と実体験を交えながら制作していると教えてくれた。
とある書店に訪れた1人の男性。「光を当てればわかります、ホラ」と予約した本に傷があり、交換してほしいと話すそのまなざしは真剣そのものだ。書店には、「ただ読むだけだから、背が破れていても構わない」という人もいれば、反対に「ほんの少しの傷も許せない」という人も訪れる。書店員の何気ない日常を切り取った本作「美本を希望するお客」を、あなたも一度読んでみてはいかが?
取材協力:佐久間薫(@sasakumako)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。