「人は天候を選べないが、衣料は選べる」――ワークマン土屋専務が明かす、年間売上250億円を狙う“寒暖差対策ウェア”の狙い

東京ウォーカー(全国版)

異常気象が「常態化」する現代、冬のアパレル市場で大きな異変が起きている。

ワークマンが立ち上げた新素材テクノロジー「XShelter(エックスシェルター)」シリーズが、年間780万点・売上高250億円計画という驚異的な勢いで市場を席巻しているのだ。リカバリーウェアも発売45日で70万着を突破。なぜワークマンは他社に先駆けて、この「暑さも寒さも1着で克服する衣服」という前例のない市場を切り拓けたのか?

95%以上の独立気泡率を誇る「断熱αシート」を搭載。衣服内温度を強力に保つハイテク断熱構造


敵は「寒さ」だけでなく、満員電車や日中の「寒暖差」

背景にあるのは、アパレル業界が長く大切にしてきた「冬=とにかく暖かくする防寒着」という発想に加え、「1日の激しい寒暖差(最大25度差)を無効化する」という新市場の開拓だ。

温暖化の影響で冬の気温も長期的に上昇している一方、朝晩と日中の寒暖差が大きい日もある。さらに、暖房の効いた室内や満員電車では、厚着をしていると汗ばむことも少なくない。重厚な防寒着では、暖房の効いた室内や電車内で暑さを感じたり、汗をかいたあとに冷えたりすることもある。この課題に対し、同社の土屋哲雄専務は「異常気象はもはや常態化しており、人は天候を選べないが衣料は選べる。真冬の寒さに勝つこと以上に、今や冬の不快感の原因は『1日の寒暖差』であり、これを1着で克服できる衣料が求められている」と語る。

外気の寒さを遮断し、体温を逃がさない「断熱Ω(オメガ)」層。内外の温度差による冷えを防ぐ世界初の着る断熱材


独自開発の断熱シートを用いたXShelterは、外気を遮断して衣服内温度を快適な30度前後に一定保持。外気温5度の極寒から30度以上の真夏日まで、1着で「無感覚」な快適さを維持できる画期的な仕組みだ。

急激な寒暖差や悪天候から体を守る「XShelter」シリーズ。軽量性と高い遮断性を両立した次世代アウター


1着で年間着回す「衣替えなし」の世界へ

さらに土屋専務は「従来の服は『暑いときは涼しく、寒いときは暖かく』と一方向しか対応できなかった。しかしXShelterなら屋外の寒さから暖房の効いた電車や室内まで、1着で快適に過ごせる。最終的には、たった1着でマイナス30度からプラス45度まで対応し、年中着回せる服を作ることが私たちの夢だ」と、今後のビジョンを明かした。

過酷な真冬の現場に対応する保温力。ワークマン×LDHが手掛ける、高機能防寒ウェア「ZERO-STAGE」


「防寒」のその先へ――技術革新で市場を動かすワークマンの凄み

他社がまねできない独自技術で独走し、従来の「冬服」「夏服」という概念そのものを塗り替えつつあるワークマン。「単に暖かくする服」にとどまらず、「気候変動から身を守るシェルター」へと服の価値を再定義した圧倒的な開発力こそが、ヒットの理由と言えそうだ。

異常気象を“寒暖差対策ウェア”で迎え撃つ


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