「キモイ」「男のくせにピンクなんて」心ない言葉の攻撃に傷ついた「自分を好きになれない人」に伝えたい【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

好きなものを身に着けているだけでぶつけられる、心無い言葉…。

メンズエステを舞台に、訳アリな客の心を解きほぐしていく主人公・加恋の姿を描く創作漫画「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」。蒼乃シュウさん( @pinokodoaonoshu )が、美しくもミステリアスな加恋と、さまざまな悩みを抱えた客たちの物語を丁寧につづる。今回は「自信がない男」の後編。恋愛をしたくても自分に自信が持てず、踏み出せない日影ユキオ。加恋のマッサージを受けながら、彼は自己肯定感を失うきっかけとなった小学生時代を振り返る。

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子どものころの心ない言葉を、いつまでも抱え込まないで

小学生時代、クラスの女子から「キモイんだよ男のくせにナヨナヨしやがって」「なんで男子のくせにピンクの筆箱なんて持っているんだよ」とからかわれていたユキオ。体育の授業でペアを組むことになった女子からも「えーやだぁオカマじゃんキモっ」と拒絶されてしまう。こうした経験が、彼の自信を奪っていった。

今回の物語で描きたかったことについて、作者の蒼乃シュウさんは、小学生時代に異性から言われた心ない言葉に傷つき、大人になった今も引きずっている人は少なくないと語る。女子が男子に「キモイ」と言うだけでなく、男子が女子に「ブス」と暴言を吐くケースもあるだろう。子どもは残酷で、何気なく相手を傷つける言葉を口にすることがある。しかし、「子どもだから仕方ない」で片づけられる問題ではないと考えている。

また、「いじめるのは好きだからだ」「好きな子の気を引くためにちょっかいを出す」といった、昔からよく聞く考え方にも納得できないという。

子どものころに受けたからかいをいつまでも気にして、自信を持てないままでいるのは、これからの人生にとってあまりにももったいない。だからこそ、蒼乃さんは漫画を通じて、傷ついた人たちに「あなたは悪くない」と伝えたかったのだという。自分を責めず、少しずつでも自信を取り戻してほしい。そんな願いが込められている。

好きなものを選んで、自分を取り戻す

幼少期のつらい経験から、自分の好きな色やかわいいと思うものに触れることさえできなくなっていたユキオ。そんな彼に、加恋は「あなたの好きなものを選んでいいのよ」と優しく語りかける。さらに「あなたに似合うもの」として、ピンク色のストールをプレゼントするのだった。戸惑いながらも、少しずつ自己肯定感を取り戻していくユキオの表情が印象的な場面だ。

好きなものを身に着けることで勇気をもらうユキオ。蒼乃さん自身も、好きなものに支えられているという。「小さいころからかわいいものが好きで、近所のファンシーショップに入り浸っていました。今でも雑貨屋さんを見かけると、必ず入ってしまいます。高価なものではないけれど、食器や家具など部屋に置いてある身の回りのものは、すべて私が『好き』だとときめいて選んだものばかり。だから自分の部屋にいると、すごく幸せです」

身の回りを自分の好きなもので満たすことが、日々の幸せにつながっている。誰かの価値観に合わせるのではなく、自分の「好き」を大切にすること。その心地よさは、ユキオが取り戻そうとしている自分らしさにも通じるものがある。

ピンク色のシャツを着て、自分らしく生きるための自信を取り戻したユキオ。彼が恋愛に踏み出せる日も近いのかもしれない。次回、加恋のもとにはどんな訳アリ客が訪れるのだろうか。今後の展開にも注目したい。

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■取材協力:蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)

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