大学の友達・夕子が、元カレと付き合い始めた。夕子は「私は恋愛したことないからいい機会」「今は別れて友達なんでしょ?」とデリカシーのないことを言う彼女の態度にイラつきながらも、“私”は友達でいる――。そんな複雑な友情を描いた、宮子玲子(
@015_3625
)さんの「フローティング・夕子」を紹介するとともに、制作の経緯を聞いた。
「相手のすべてが好き!」というのは難しい?リアルな友人関係を描く
授業に真面目すぎたり、古臭い言葉使いを好む青峰夕子。クラスでもどこか浮いていて、唯一の友人である若葉も夕子のことは嫌いではないがデリカシーのない発言は苦手だった。
若葉が元カレに振られたこと、そしてその元カレと付き合い始めた夕子について今の気持ちを真摯に話したときも、夕子は「フラれた立場の気持ちってすごく気になってたの」と、若葉の気持ちを小説の資料としてメモを取りだしてしまう始末…。
「『周りから浮いている』がテーマだったので、フローティング=浮いている、というタイトルにしました」と語るのは作者である宮子玲子さん。夕子というキャラクターは、実は過去の同僚をモデルにしているのだそうで「その人もやはり、独特な話し方や振る舞いで周りから少し浮いていました。ですが仕事熱心な人で、言いにくいことも必要であればはっきり言ってくれるので信頼していました」と教えてくれた。
友人として相手の苦手な部分も受け入れていたものの、それが"ある瞬間"突然許せなくなるという心情の揺れ動きがリアルな本作。宮子さんは「私は、どんな人に対しても心からわかり合える部分とわかり合えない部分の両方があるだろうと思っています。『相手のすべてを好き』と言うのは難しくても、相手にうれしいことがあれば思わず一緒に喜んだり、友情を育むことはできると思います。そういう関係が描きたくて描きました」と本作を描いたきっかけを語る。
本作「フローティング・夕子」は、ノンデリすぎる友人との関係性に悩む若葉に多くの共感が寄せられた作品である。あなたのそばにもこんな人がいないだろうか?気になる人はぜひ一度読んでみてほしい。
取材協力:宮子玲子(@015_3625)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。