人気ホラーゲームを新進気鋭の監督が映画化した『バイオハザード』を鑑賞。90分ノンストップのサバイバルホラーに大興奮!

東京ウォーカー(全国版)

2026年10月9日より全国公開された『バイオハザード』は、どこにでもいる普通の男が“ある医療品”を届けるために、恐怖と闘いながら目的地を目指す物語。公開後に劇場で観た本作の感想を紹介(以下、ネタバレを含みます)。

映画『バイオハザード』の場面写真(C)2026 CTMG. All Rights Reserved.


【ストーリー】
ある夜、配達員のブライアン(オースティン・エイブラムス)は、届け物をした病院でラクーンシティ総合病院への配達を依頼される。雪道をチェーンなしの車を走らせラクーンシティへ向かうが、その道中で半袖のワンピースを着た女性をはねてしまう。

かなりの重症を負った女性を、偶然通りがかったパトカーに乗せて病院へ運ぼうとするが、その途中でパトカーが横転。運転席の警官は即死しており、パニックに陥ったブライアンは無線で助けを呼ぼうとするが、そこへ被害者の女性が現れてブライアンに襲いかかる。

恐怖の中、必死で無人の民家に逃げ込んだブライアンだったが、武器を探している最中に、再び女性が襲ってくるのだった。

【写真】絶体絶命のピンチに陥った配達員のブライアン(オースティン・エイブラムス)(C)2026 CTMG. All Rights Reserved.


ザック・クレッガー監督と注目の俳優オースティン・エイブラムスが『WEAPONS/ウェポンズ』に続き2度目のタッグ

監督を務めたのは新進気鋭のザック・クレッガー。全世界興行収入2億ドルを突破し、ホラー映画でありながらもキャストのエイミー・マディガンがアカデミー賞・助演女優賞を受賞した『WEAPONS/ウェポンズ』(2025年)を手掛けている。

静かな郊外の町を舞台に、ある教室の子ども17人が一斉に姿を消した集団失踪事件を描いた『WEAPONS/ウェポンズ』は、エイミー演じるグラディスが登場した瞬間から予想の斜め上をいく展開で度肝を抜かれた。

グラディスについては何を書いてもネタバレになるため、未見の方にはぜひ鑑賞してもらいたい。

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最初に観たクレッガー監督の作品は、彼の劇場用映画監督&脚本デビュー作となった『バーバリアン』(2022年)。こちらもホラー作品で、デトロイトの民泊に宿泊しようとやってきた女性が、手違いでダブルブッキングされていた男性と恐ろしい出来事に巻き込まれていく様を描いていた。

『バーバリアン』も途中から“え?どういうこと?”と思わずツッコミを入れたくなるような意外なキャラクターが登場し、最後までとんでもなく恐ろしい展開が続いておもしろかった。そんなクレッガー監督が『バイオハザード』の新作を撮ると聞いた瞬間から期待値は爆上がり。ついに迎えた本作の公開初日はIMAXの大きなスクリーンで鑑賞したのである。

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配達員のブライアンを演じたのは、オースティン・エイブラムス。大ヒットシリーズ『ウォーキング・デッド』のシーズン5&6(2014~2016年)のロン・アンダーソン役で注目され、その後はギレルモ・デル・トロ製作の『スケアリーストーリーズ 怖い本』(2020年)に出演、HBOの大ヒットシリーズ『ユーフォリア/EUPHORIA』(2019〜2022年)のイーサン役、Netflix の人気シリーズ『ダッシュ&リリー』(2020年)では主役のダッシュを演じて注目を集めた。

ブラッド・ピット主演の『ウルフズ』(日本劇場未公開)では、白いブリーフ姿のまま混乱の一夜に巻き込まれる青年役、『WEAPONS/ウェポンズ』では薬物中毒の若者役、そして現在公開中の『クジラに落ちた男』では巨大マッコウクジラにのみ込まれてしまった主人公を演じるなど、今最も勢いのある若手俳優の一人だ。

個人的には、本作鑑賞後に購入したパンフレットを読んで、『ウォーキング・デッド』のロン役がオースティンだったことに驚いた。ロンを演じていたころの彼は今よりも顔が若干幼く、雰囲気も全然違ったので気づかなかったのだ。

『ウォーキング・デッド』大ファンの筆者は、メインキャストの息子カールの片目を銃で撃って失明させたロンが大嫌いだった。ところが、本作のオースティン演じるブライアンがとんでもなくチャーミングだったことから、彼に対するイメージがガラッと変わってすっかりファンに。オースティンの今後の活躍が楽しみになった。

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ちなみに、『ウォーキング・デッド』でカールを演じていたチャンドラー・リッグスが、なんと本作が日本公開されたタイミングでゲームの『バイオハザート7 レジデント イービル』を実写化したファンフィルムを公開。チャンドラーは主演、脚本、監督を務めており、同タイミングでオースティンとチャンドラーがバイオの世界に飛び込んでいて笑ってしまった。

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ほかキャストには、アンブレラ社の研究員ポール役をブルース・スプリングスティーンの伝記映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』(2025年)、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025年)、リメイク版の『裸の銃を持つ男』(2025年)など大作への出演が続くポール・ウォルター・ハウザー、ポールの護衛をしているマキシーン役をプロボクサーから俳優へ転身し、ドラマ『トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー』(2024年)ではジョディ・フォスターとW主演を務め、AI裁判官が支配する近未来サスペンス『MERCY/マーシーAI裁判』(2026年)では、クリス・プラット演じる刑事の相棒役として出演したカーリー・レイス、アンブレラ社の研究員カール役をケヴィン・ハート主演の『72時間』(2026年)などに出演するザック・チェリーが演じている。

得体の知れない“怪物のような何か”に体を引っ張られる研究員のポール(ポール・ウォルター・ハウザー)(C)2026 CTMG. All Rights Reserved.


30年以上愛され続けるバイオの魅力、映画やゲーム実況動画でも大人気

今年リリース30周年を迎え、シリーズ累計販売本数2億本を突破したカプコンの金字塔的サバイバルホラーゲーム『バイオハザード』。筆者はこのゲームを一度もプレイしたことはないが、ミラ・ジョヴォヴィッチが主演を務めた映画『バイオハザード』(2002年)はシリーズ最終作の『バイオハザード: ザ・ファイナル』(2016年)まですべて鑑賞しており、リブート作『バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』(2022年)、Netflix実写ドラマ版『バイオハザード』も観ている。なぜならゾンビが大好きだからだ。

ただ、バイオハザード(以下、バイオ)に登場するゾンビは走るため、『ウォーキング・デッド』やジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』に登場するゆっくり歩くタイプのゾンビが好きな筆者は、バイオを“ゾンビもの”ではなく、単純にサバイバルホラーとして楽しんでいた。(もちろん、走るゾンビも嫌いじゃない)

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ゲームのバイオに関しては、アーティストの三浦大知さんが2021年に配信していたゲーム実況動画『バイオハザード ヴィレッジ』で初めて触れたのだが、このゲームは『バイオハザード7 レジデント イービル』の続きで、前作の主人公イーサンが、拉致された娘を取り戻すために謎の村を訪れ、さまざまな敵と死闘を繰り広げるというストーリー展開に引き込まれた。

汚い言葉はほぼ使わず、なんなら敵を倒すときに「ごめんね」とか「すまん!」と謝ってしまう三浦さんの優しさに癒やされ、主人公がラスボスと闘った回の配信では、娘を大切に思う主人公の気持ちが不思議とイーサンから伝わってきて(ゲームなのに!!)、思わず泣いてしまうなんてこともあった。

というわけで、バイオのゲームに関する知識はほとんどないが、三浦さんの実況動画のおかげでプレイするときのハラハラは擬似体験している。30年以上もバイオの世界観が愛され続けているのは、ゲームの飽きさせないストーリーに加えて映画、ゲーム実況動画など幅広いコンテンツで楽しむことができるからなのだと思う。

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なんの能力もない一般人の主人公、憎めないキャラで全力応援したくなる!

本作は「もしゲーム『バイオハザード』の世界に放り込まれたらどうなるか?」というコンセプトで作られたらしいが、放り込まれるのはなんの能力もない一般人の主人公で、それは観客である私たちのことでもある。

ブライアンはAという病院からBという病院に荷物を運ぼうとしていただけなのに、道中で突然飛び出してきた女性を車で轢いてしまったことから、恐ろしい“何か”に狙われ、追われることに。

本作で何よりも魅力的だと思えたのが、主人公が心から応援したくなる人物だったこと。轢いてしまった女性を探しに行き、夏物のワンピース(外は雪が降ってるのに!)を着用した血まみれの彼女を抱き抱えて車に乗せ、病院に連れて行こうとするブライアンの姿に“轢き逃げするかと思ったけど意外といい奴かも!?”と、思わず心の中でつぶやいてしまった。

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とはいえ、本作の冒頭、彼女から「妊娠したかも」と電話越しに言われて動揺し、そのことから逃げるように新たな配達を請け負ってしまうブライアンの行動には正直ドン引きした。

それでも愛せてしまうのは、最初の病院で預かった荷物が誰かの命を救う可能性のある“臓器”だと思い込み、何としてでも届けようとする真摯な対応と、ことあるごとに「クソ!クソ!」を連発し、ちょっと鈍臭いブライアンがチャーミングに見えるからだ。

戦闘技術ゼロで銃の扱い方も知らなかった彼が少しずつ撃つことに慣れていき、どんどん強力な武器を手に入れ、怪物のような何かに追われながらも必死で目的地の病院を目指す姿も応援したくなるポイントだった。

公開後のSNSの反応を見ると、本作でオースティンのファンになり、その流れで『クジラに落ちた男』も鑑賞したというコメントが結構あった。筆者は、本作でのオースティンの演技に集中するために2度目の鑑賞は日本語吹き替え版にしようと思っている。(ブライアンの声は声優の下野紘さんが担当)

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“笑い”と“恐怖”が絶妙なバランスで描かれ、まるでゲームの世界に放り込まれたかのような体験ができる本作。ぜひ劇場で鑑賞してもらいたい。

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文=奥村百恵

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