「私には目も体もない」存在を否定する患者に向き合う看護師の姿に「考えさせられた」

東京ウォーカー(全国版)

周囲の何にも反応しなかった統合失調症のYさんが、ある日ついに口を開いた。画像提供:アヤさん

看護師・看護学生向けメディア「ナース専科」にて実際の看護現場のエピソードをもとにした漫画を連載しているアヤ( @aokitaji )さん。今回紹介する作品『私は何も持っていない…目も、耳も、体も“持っていない”ある患者さんの話』は、自身の存在そのものを否定してしまう患者との出会いを描いた一作だ。

統合失調症を患うYさんに明るく話しかける看護師 01画像提供:ナース専科

最初は反応がなかった患者のYさんだが、少しずつ反応が返ってくるように… 02画像提供:ナース専科

03画像提供:ナース専科

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※本作は著者の闘病体験を描いたコミックエッセイです。紹介している病状や治療の経過には個人差があり、医学的な見解を代弁するものではありません。気がかりな症状がある場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。

「自分には何もない」絶望と向き合う現場

本作に登場する患者は「自分には目も耳も体もない」と話し、自身の存在を完全に否定するような言動を繰り返す。作中では、患者が抱える深い絶望と、それに向き合う看護師たちの姿が丁寧に描かれている。執筆にあたり、アヤさんは「看護師側だけでなく、患者さん側の気持ちにも読者が共感できるよう意識しています」と語る。

誰の心にも潜むかもしれない不安と病の影

作中の患者は「コタール症候群」の可能性があるとして描かれており、アヤさん自身も本作を通じて初めてこの病気度を知ったという。「誰の心にも、この感情は潜んでいるのではないかと思いました。その感情を分かち合ったり、癒やし合える人が周囲にいるかどうかで、発症するかどうかが変わるのではないか」と自らの考えを明かす。
さらに「20代のころから苦しまれているこの患者さんを思うと切ない気持ちでいっぱいになります。少しでも乾いた心を潤してくれる何かに救われてほしい」と、患者への切実な思いを寄せる。

医療従事者への深い尊敬と寄り添いの記憶

アヤさんは看護師という職業に対しても深い敬意を抱いている。「たくさんの命を救うやりがいは相当なものだと思う一方、救えなかった命や苦しむ人と向き合い続ける重圧は想像を超えるものです」と語り、それでも日々患者に手を差し伸べ続ける姿に「心から尊敬しています」とメッセージを送る。
自身の出産時にも助産師や研修生に救われた経験があるというアヤさん。「ナース専科」で描かれるリアルな現場エピソードは、多くの人の心に深く残り続けている。

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取材協力:アヤ( @aokitaji )

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