町の隅々まで届ける仕事ゆえ、たとえ異様な気配を察しても避けることができない郵便配達員。なかには事故物件サイトにも掲載されていない「嫌な感じ」の住宅に遭遇する者もいるという。霊感のある郵便配達員が実際に体験した怪異を描く『嫌な家』について、作者で現役郵便局員の送達ねこさん(@jinjanosandou)に話を聞いた。
事故物件サイト未掲載の古いアパートとアベノマスク
M支店に勤務するYさんは、遠くから見ただけでも鳥肌が立ち、階段の下にいるだけで頭痛がするほどまがまがしい気配を放つ古い2階建てアパートに遭遇した。2階奥の無人と思われる部屋から放たれる気配に恐怖しつつも、近づかないよう配慮していたが、逃げられない事態が発生する。
それはコロナ禍で実施された「ガーゼ製布マスクの全戸配達」だった。郵便局の原簿上は居住扱いになっているため、泣く泣く配達に向かわざるを得なかったYさん。意を決して階段を上った先で、目に焼き付いて離れないおぞましい光景を目撃することになる。
危険と隣り合わせの配達現場と霊感のリアル
体験者のYさんについて送達ねこさんは、「2つの『嫌な物件』ともにYくんが遭遇した事案だ。彼は霊感がある人で、私たちにはわからない苦労があると思うが、結果的に危険を回避できるのではないか。大抵の人は気づかずそのまま住んでしまう」と語る。
「命より仕事を優先するのが日本人らしい」という読者からの感想に対し、回避したい場所であっても届ける使命を負う配達員のリアルが浮き彫りとなった。
取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)
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