理系大学・大学院の実情を描く理系女ちゃん(@rikejo_chan)の「先輩はきれいな人だった」は男性と女性の2つの視点から「好意を寄せる側」と「寄せられる側」の認識の違いを描いた作品だ。前半は先輩に恋する後輩の淡い恋心だが、後半で先輩の視点に切り替わると、その恋心は一転して「恐怖」へと変換されていく。一方的に好意を寄せられた先輩視点のラストとあきらめきれない呟きが波紋を呼び、Xで10万「いいね」を超える大きな反響を集めている。
淡い恋心が恐怖に変わる視点の錯覚
「理系」という言葉自体は馴染み深いものの、実際の理系学生の割合は大学進学者のうち35%(2020年度推計)にとどまり、大学院進学やアカデミアに残る人材はさらに限られる。
理系社会の解像度を高めるための模索
作者の理系女ちゃんさんは「理系に対する解像度が少しでも多くの人の間で高くなれば、もっと理系に興味を持ってくれる人が増えたり、現在アカデミアが抱える課題を解決できたりするのではないかと漫画の投稿を始めました」と発信の背景を語る。テーマの性質上、異なる所属や分野の読者から厳しいコメントが寄せられることもあるという。
ナレーションを省いて描く主観のギャップ
男女それぞれの視点に徹し、視点の切り替えによって印象を鮮やかに変える本作。理系女ちゃんさんは「人と人の関係は、誰かの視点が介入する以上主観を欠くことは難しいので、本作品はナレーションを入れていません」と制作のこだわりを明かす。「最近はゆるっとした漫画を描いていますが、理系大学・大学院に関する作品を、いろんな角度から描いていきたいですね」と今後の展望を語ってくれた。単なる恋物語では終わらない不穏な結末を、ぜひ確かめてほしい。
取材協力:理系女ちゃん(@rikejo_chan)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。