保育園での勤務経験を持つまえだ永吉(
@eikiccy
)さんが、自身の体験談をもとにフィクションを交えて描く『保護者支援もアンタ達の仕事でしょ?』。保護者対応に追われる保育士たちの姿や、子どもを取り巻く家庭の問題をリアルに描き、注目を集めている。今回は16~20話を紹介。熱を出した園児の家庭について、保育士たちが気づいた異変と「情緒的ネグレクト」の可能性に迫る。
熱が出ても迎えに来ない母親
音喜多はると君は前日に発熱し、保育園を休んでいた。以前から両親が仕事を優先している様子を気にかけていた先生たちは、はると君のことを心配していた。
園児たちがお昼寝をしている時間、職員会議で青井先生が前日の出来事を報告する。16時ごろにはると君が発熱したため、母親に迎えを依頼する電話をかけたものの、連絡はつかなかった。その後、母親は普段と変わらない19時20分ごろにお迎えに来たという。さらに職場にも確認したところ、その日は仕事が休みだったことが判明する。
報告を聞いた先生たちの間にはざわめきが広がる。佐田先生は虐待の可能性を疑うが、青井先生によると、はると君の体には目立った痣などは見当たらないという。
痣がなくても見逃せない家庭の異変
そこで青井先生が指摘したのは、子どもへの関心や愛情が不足している状態を指す「情緒的ネグレクト」の可能性だった。しかし、園長先生は「大丈夫よ!はると君の様子は問題ないんでしょう?」と、深刻に受け止めようとしない。
実は園長先生は以前勤めていた園で保護者と揉めた経験があり、それがトラウマになっている様子。そのため、園長が赴任してからは園の方針も大きく変わり、延長保育などの受け入れルールも緩くなっていた。
園長が問題を深刻に捉えないなか、先生たちははると君の状況を見過ごさないよう、職員同士で念入りに情報を共有することにした。
園全体で子どもを見守るために
情緒的ネグレクトの可能性がある家庭について、実際の保育現場ではどのように情報を共有しているのだろうか。まえださんによると、職員会議で報告したうえで、会議に参加していない職員にも内容を伝え、園全体で見守る体制を取るという。
まえださん自身は、情緒的ネグレクトを受けている園児を直接受け持った経験はないものの、「他のクラスでこのご家庭ちょっと注意して見てください」といった情報共有はあったそうだ。
はると君の家庭で、本当に情緒的ネグレクトが起きているのか。園長と先生たちの温度差が浮き彫りになるなか、子どもを守るために保育士たちはどのような対応を取るのか、今後の展開が気になる。
■取材協力:まえだ永吉(@eikiccy)
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