ソウルやR&B、レゲエなどを取り込み、ポップスへと昇華させているバンド、メロウ・イエロー・バナナムーン。昨年の11月に1stミニアルバム「かくも素晴らしき日々」をリリースし、注目度も高まっている彼らは、この春、新体制でのスタートを切った。バンドがこれから向かう先のこと、新体制で臨むライブのことなどを、ボーカルの緒方利菜さんに聞いた。
――まずは、バンド結成の経緯を聞かせてもらえますか?
「はい。15年の夏ごろに大学の中で、『野外フェスに出たいね』という同じ思いを持ったメンバーで結成しました。でも、すぐに始動したわけではなくて、ライブ活動などを本格的にスタートさせたのは16年の4月でした。ちょうど2年前ですね」
――結成した時はどういうバンドにしていきたいと思っていましたか?
「大学の音楽系サークルで私たちが歌ったり演奏していたのが、ソウルやR&Bなどのブラックミュージック、レゲエ、ファンクという音楽で、メンバーそれぞれルーツミュージックがあるので、そういう要素も取り入れた日本語のポップスを作って届けたいなという気持ちでした」
――緒方さん自身のルーツミュージックを教えてください。
「ロックステディ(60年代後半にジャマイカで流行した音楽)やラヴァーズ・ロック(レゲエの一種)が好きで、デニス・ブラウンもよく聴いていました。ファンクだとアース・ウィンド・アンド・ファイアーが好きです。邦楽だとフィッシュマンズ、andymoriとか。ほかにもダニー・ハサウェイとか、好きなバンドやアーティストはたくさんいます!」
――バンドの中で緒方さんはボーカルを担当されていますが、最初からボーカル志望でしたか?
「はい。小さい頃から歌うことが好きで、NHKの合唱団にも入っていました。人前で歌ったりすることが好きなので、ライブでは全然緊張せずに、楽しく歌えています(笑)」
――昨年11月にリリースされたミニアルバム「かくも素晴らしき日々」はどんな反響がありましたか?
「それまでSoundCloudに2曲アップしていただけでしたが、それでも聴いてくれる人がいました。でも、CDという形で作品をリリースしたことで、より多くの人に聴いてもらえたみたいで、この作品がきっかけになって沖縄にもライブで呼んでもらえたんです。『やりがいって、これか!』と思いましたね(笑)」
――この春、バンドが新体制になったということですが。
「はい。結成当初は11人のバンドでした。就職などでメンバー編成がかわり、今はボーカルの私、ギターの宮田泰輔、ベースの岩井百合香、ドラムの樋口敏寛、キーボードの加藤亜実、パーカッションの礒部拓見の6人です。大きなライブではホーンを迎えて行う予定ですが、基本的にはこの6人でライブを行っていきます」
――今は誰が曲作りを?
「私とギターの宮田で作っています。新体制になったので、今のメンバーでの曲をもっともっと増やしていきたいと思っています」
――その新体制になっての初めてのライブが、4月30日(祝)の下北沢GARAGEということですね。
「はい。編成が変わったことでアレンジも変えましたし、新しいサウンドをお届けできるんじゃないかなって思っています」
――さらに、5月1日(火)には下北沢近松で、11日(金)には下北沢THREEでのライブも。
「はい、立て続けにライブが決まっています。観に来てくださった方に楽しんでもらえるライブにしようと頑張っていますので、ぜひ新体制のスタートとなる4月、5月のライブを目撃してください! お酒を飲んだりしながら、気持ちよく踊ってもらえたらなによりです(笑)」
取材・文/田中隆信
週刊東京ウォーカー+編集長 野木原晃一