京都・比叡山の麓に位置し、紅葉の名所が数多く点在する八瀬エリア。なかでも名所として名高い瑠璃光院が、春の拝観期間中に、同院初となる青もみじのライトアップを実施する。イルミネーションで彩られた美しい青もみじと名刹の庭園のコラボレーションは必見だ。
自然を借景とした名庭と日本情緒あふれる数寄屋造りの名建築が知られる瑠璃光院。通常は非公開となるが春と秋の年2回のみ特別公開され、春は青もみじ、秋は紅葉で訪れる参詣者を楽しませている。
今回予定されているライトアップは、1993年のスタート以来、四季折々の京都の魅力を発信している東海旅客鉄道株式会社(JR東海)のキャンペーン「そうだ 京都、行こう。」の初夏の特別企画「京都洛北 八瀬もみじの小径ライトアップと瑠璃光院 夜の特別拝観」として開催。
これまでは秋に行われていた人気のもみじライトアップを、今回、初めて青もみじで行うという試みだ。夜の特別拝観中は、音楽の演奏も予定(時間不定)されており、名刹がいっそう雅な雰囲気に包まれる。期間は5月12日から6月10日までの土曜・日曜の計10日間、首都圏・静岡在住の1500人限定(1日150人)で実施する(事前予約が必要)。
一番の見どころとなるのが「瑠璃の庭」だ。”瑠璃色に輝く”と表現される数十種の苔のじゅうたんとその中央を縫うように流れるせせらぎなど情緒を感じる庭園が幻想的な情景に変貌。定番の書院2階の青もみじが写経机に映り込む、幾何学的な眺めもライトアップでひと味違った様相となる。
また、天にかけのぼる龍を水の流れと石組で表現した池泉庭園「臥龍の庭」も見逃せないポイント。たたずむ人の心を解放し、昇運の兆しをもたらすという縁起のいい庭園のライトアップを、運気アップにも期待しながら堪能したい。
ほかにも今回の特別企画では、八瀬もみじの小径や叡山ケーブル“ケーブル八瀬駅”や“ケーブル比叡駅”など八瀬エリアの青もみじも合わせてライトアップされるなど、エリア全体で青もみじを盛り上げている。
今年は桜の季節が例年に比べて足早に去ったように、八瀬エリアの青もみじが早くも見頃を迎えている。もし旅行を検討しているのであれば、この初夏は京都の風情を粋に楽しんでみてはいかがだろうか。
安藤康之