鎌倉市役所前広場に、ブロックで作られた実物大の「江ノ電」と安野モヨコ原作のマンガキャラ「オチビサン」が登場した。江ノ電の中に入って運転手気分を味わえたり、ベンチに座ってオチビサンと一緒に記念撮影したりすることができるスポットとして、5月末まで展示されている。
実はコレ、洗剤やシャンプーなどの使用済みのつめかえパックを再利用したブロックを使って組み立てられたもの。「今までに捨てるだけだったもので、今までにないものをつくりたい。」という想いで、鎌倉市のNPO法人カマコンと鎌倉市が企画。全国の地域コミュニティで「リサイクリエーション」の実証実験に取り組む花王と手を組んで実現した。リサイクリエーションとは、「リサイクル」と「クリエーション」を合わせた造語。今回使用された「おかえりブロック」のように、使い終えたものに技術やアイデアを加え、新たな価値を生み出す、花王が取り組む活動だ。
鎌倉市役所本庁舎、江ノ島電鉄 鎌倉駅構内、公立小中学校25校など、市内31か所に回収BOXを設置して、ブロックの素材となるつめかえパックを回収。鎌倉市民の協力によって進められ、江ノ電は高さ3.71m、横2.8m、約3000個の大ブロックを使用。一方、オチビさんは高さ81cm、約5000個の小ブロックが使われ組み立てられている。
4月27日に行われた完成披露のイベントでは、松尾崇市長やNPO法人カマコン兼、面白法人カヤックCEO柳澤大輔氏らゲストが見守るなか、市民代表としてガールスカウト神奈川県第3師団の女の子5人が、ライトと看板を設置。さっそく記念撮影を楽しんでいた。
また、同イベントには、リサイクル素材を利用したスタッフTシャツを、アウトドアブランドのパタゴニアが提供。鎌倉市に本社を置き、環境保護活動を積極的に行動している企業も賛同するなど、市のエコやリサイクル活動への意識の高さも感じられた。
今回使用されたブロックは、プロジェクト終了後に、江ノ電の利用者向けベンチへ再利用が予定されているそう。鎌倉の課題でもあるゴミの減量にもつながるだけでなく、ゴミからまったく新しいものを創り市民に還元した鎌倉市。今後、第2、3弾と続くであろう未来の取り組みにも注目していこう。
北村康行