雑貨なども扱う複合型書店「ヴィレッジヴァンガード」や、吉祥寺の絵本専門店「おばあちゃんの玉手箱」で、ひそかに注目を集めているCDがある。童謡をジャズにアレンジし、“玩具ジャズ”で話題のアーティストROCOが歌う「こどもじゃず」(1500円/apart.RECORDS)だ。ことし1月中旬に発売されると大きな話題を呼び、このようなCDとしては異例の早さで、セールス3万枚を突破する勢いだ。
ジブリやJ-POPをジャズやボサノバ、ロックでアレンジしカバーした作品は多いが、注目なのはアレンジした曲が“童謡”だったこと。誰もが懐かしいメロディー・歌詞をジャズにアレンジし、ROCOの優しい声で仕上げた。
歌は「ねこふんじゃった」や「森のくまさん」、「大きな栗の木の下で」など、懐かしのものばかり。ジャズに乗せて楽しげに歌う「ねこふんじゃった」では、歌詞の合間に「♪ニャーオ」と聞こえるなど、遊び心もたっぷりだ。
購買層は、「ヴィレッジヴァンガード」に通う音楽好きの若い男女のほか、幼い子供を持つ両親など幅広い。吉祥寺の絵本専門店「おばあちゃんの玉手箱」では、絵本専門店にも関わらず口コミで支持を広げ、週に100枚が売れた時も。「子供はまだ小さいですが、このCDなら私も楽しめるのでいいですね。優しい音楽なのでBGM代わりに今から聞かせたいです」と話す20代女性など、“大人も子供も楽しめる”というのが人気のポイントのようだ。
奈良県のショッピングセンター内にある雑貨店「ニュースタイル イオンモール橿原アルル店」は、特にCDが売れた店舗の1つ。絵本コーナーにジュークボックスで音楽を流したところ、初回の10枚入荷がすぐ売り切れ、30枚、100枚と入荷の枚数を増やした。「一瞬でヒットになり、累計500枚に届きそうな人気商品です。ベビーカーを持った若い夫婦や、お孫さんができたくらいの50代の女性が買われていくこともありますね」と店長の村上さんは話す。
5月末に発売された「こどもじゃず2」も好調で、ますます注目の“童謡×ジャズ”の異色CD。童心に返りたいアナタにオススメだ。【東京ウォーカー】