5月25日、新川優愛さんが出演する舞台「法廷の銃声」が初日を迎えた。本作は、リチャード・スペイト原作の法廷を舞台としたドラマで、初演から24年を経て、今回が5回目の上演となる。
いつもと変わらない平穏な生活を送っていたロジャース一家だったが、愛娘のウェンディーが何者かに連れ去られるという突然の悲劇に見舞われた。犯人は捕まり、死刑判決は確実だと思われていたが、判決は心神喪失により「無罪」…。その直後、法廷に銃声が響き、無罪を勝ち取った被告が倒れた。そこから新たな悲劇が訪れることに…。新川さんはシングルマザーで新人女性弁護士のエレン・ヘイス役で出演。4回目までの公演と異なり、今回はエレンの視点で物語を見つめる構成となっている。
そんな新川さんに初日の本番直前にインタビューを行い、この作品への思いと見どころなどを語ってもらった。
――弁護士役で、法廷のシーンも多い作品ですが、これまでとは違った新川さんの演技が見られそうですね。
「はい。専門用語も多くて難しいセリフも多いのですが、ここ何週間かは稽古にも参加できましたし、共演する方々ともコミュニケーションも取れましたので、作品としてのイメージもしっかりと見えてきました。演じるエレンという女性も、稽古をしていくうちに自分の中で人物像が固まってきた感じがします。この後すぐに本番なので緊張していますが、ある程度の緊張は必要だと思うんです。ですから、いい緊張感を持ちつつ、コメディではありませんが、演じることを楽しみたいと思っています」
――弁護士バッジを胸元に付けた姿は、とても凛々しく感じます。
「ありがとうございます(笑)」
――この公演が、劇団東俳のリニューアルした常設劇場「座・プロローグ」のこけら落とし公演ということですが。
「はい。こけら落とし公演は、なかなか経験できることではないので、こういう機会をいただけてありがたいです。舞台は演者だけでなく、舞台監督さんや演出の方、照明さん、音響さんなど、いろんな方がいて幕を開けることができるので、演者はそういう方たちの思いも全部背負っていけたらいいなと思っています」
――ステージと客席の距離が近いのも舞台、そしてこの劇場の良さですね。
「そうですね。私は舞台作品に出るのは久しぶりですし、客席がこんなに近い舞台はほぼ初めてですので、楽しみです。舞台は生ものですし、暗転した中で立ち位置を移動したりしますから、ケガなく千秋楽を迎えることが重要かなと今、思っています。私は頻繁に舞台作品に出演しているわけではありませんので、応援してくださる方々にこの機会にぜひ観ていただきたいと思います」
舞台「法廷の銃声」は座・プロローグにて6/3(日)まで上演。
撮影/石塚雅人 取材・文/田中隆信
週刊東京ウォーカー+編集長 野木原晃一