博多の楽しみはやっぱり“食べ歩き”!上川隆也主演『魔界転生』今秋博多座に登場

九州ウォーカー

堤幸彦演出、上川隆也主演の舞台『魔界転生』が10月6日(土)博多座でスタートする。本作で主演・柳生十兵衛役を演じる上川隆也に、堤幸彦演出や博多座での公演へ、期待と抱負を語ってもらった。

上川隆也主演『魔界転生』今秋博多座に登場


憧れの作品に主演…オファーを疑いました


原作者である山田風太郎の小説を読んでいたという上川は、ことのほか作品への想いがあるようで、「山田風太郎さんの忍法帖シリーズは、若い頃に拝読していました。特にこの『魔界転生』の原作である『おぼろ忍法帖』は、忍法対決などをメインとしたシリーズの他の作品とは少し毛色が違って、名だたる剣豪たちを秘術を使ってこの世に呼び戻し、その剣豪たちと柳生十兵衛が勝負するという奇策を図った物語に度肝を抜かれました。その着想にも驚いたのを覚えています」

舞台『魔界転生』に出演する上川隆也。度肝を抜かれる物語に、若い頃から原作ファンだった


そんな憧れの作品への出演のオファーが来た時、上川は「冗談かと思いました(笑)。柳生十兵衛という役を演じさせていただいたことはあるんですが、まさか『魔界転生』の柳生十兵衛が自分のところにオファーが来るなんて!と驚きましたし、その報告を一度疑いました」と話した。

【写真を見る】柳生十兵衛役での出演オファーに最初は冗談かと思ったと話す上川隆也


最近では執事になったり、屈強のボディーガードになったりと、上川は変幻自在に役を演じ分ける。役に入る前に入念な準備があるはずだと尋ねると、「難しいご質問ですね(笑)。包み隠さずに言うと、あるようでないんです。僕は現場での空気感を大事しようと思っているんです。役のイメージは作っていきますが、予め準備していったものが必ずしも正解とは限らないですし、それよりも現場で監督や共演者とのお芝居をして生まれる空気が重要だと思っているので、その空気感を大切に演じようと心がけています」と、意外な答えが返ってきた。

役作りの質問に「難しい質問ですね」と言葉を選びながらも丁寧に答えてくれる


演出家の堤幸彦について


また本作は、テレビドラマ『SPECシリーズ』、映画『20世紀少年』等の名作を数多く手がけた堤幸彦が演出することでも話題になっている。

舞台での“堤マジック”が楽しみ


「堤さんは今のテレビ演出界において“堤以前、堤以後”と称される演出をもたらした方。ですが、僕らがカメラの前で演技をしている時は、そうしたことをあまり感じさせないんです。奇をてらった演出するというのではないのですが、カメラを通してモニターに映った自分を見ると、思ってもいないような効果がもたらされていたり、演出による意味づけや空気感のようなものが加味されていることに驚きます。それが“堤マジック”なのかなと思っています。今回はカメラを介すことなくお客様と相対することになりますが、きっと舞台上にも堤マジックが醸されるのではないかと期待しています」

博多座公演での楽しみは?


この作品の舞台が長崎県島原ということもあり、九州とは縁の深い作品だ。公演中は博多に一ヶ月滞在することになるが、博多での楽しみは?「福岡の食べ歩きが楽しいことは間違いないと確信していますので、余力のある内に食べ歩きをしたいです(笑)。まだこの作品がどのようになるのか解らない部分があるのでリアルに考えられませんが、どこまで自分が耐えられるか、かけてみたいと思います(笑)。」

博多での楽しみはやっぱり“食べ歩き”


さらに本作は10月6日(土)から始まる博多座公演を皮切りに、11月3日(土・祝)から東京公演、その後12月9日(日)からの大阪公演へと続く。通常のツアー公演は東京公演からスタートすることが多いが、劇中にも登場する天草四郎縁の九州からのスタートとなる。博多(地方公演)からスタートすることへの不安や期待を尋ねると、「不安はまったくないです。この作品は、天草四郎没後380年の節目や、島原の殉教の島が世界遺産の候補に選ばれたことなど、様々な気運に恵まれていると思っています。そのひとつに、作品ゆかりの地である九州・博多座からスタートすることも含まれていると思っています。むしろ博多座で箔を付けて、東京に乗り込みたいと思っています」と、まっすぐ記者のほうを向いて語った。

舞台『魔界転生』は、10月6日(土)から28日(日)まで博多座にて公演。チケットは7月7日(土)からスタートする。

文乃

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