安藤サクラ、カンヌ受賞の「万引き家族」を振り返り「溢れ出す母性と母乳に戸惑いながらの撮影」

関西ウォーカー

第71回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞した是枝裕和監督の最新作「万引き家族」の公開に先立ち、主演の安藤サクラが大阪市内で行われた記者会見に出席。カンヌ受賞の喜びや出産間もない撮影の裏話などを語った。

カンヌ受賞後、初めての会見に出席した安藤サクラ


NHK次期朝ドラ「まんぷく」の撮影で大阪に滞在中の安藤。カンヌ受賞後に本作について語るのは初めてということもあり、会見には多くの報道陣が詰めかけた。リラックスした表情で登場した安藤は「すごくめでたいことだと改めて感じています」と挨拶。MCから着席を促されると「気が向いたら座ります」と謙虚に話し、立ったまま会見することになった。

まずカンヌ受賞の瞬間について聞かれた安藤。滞在先の大阪で娘とマネージャーとYouTubeで受賞式を見ていたそうで「俳優さんがレッドカーペットを歩いている映像を見ていたら眠ってしまって」とまさかの寝落ちを告白。「起きたらリリーさんからメールが届いていて、マネージャーさんから『パルムドールです』って」と寝ぼけた状態で受賞結果を知ったことを明かした。YouTubeで見ていた受賞式については「どうやら中継じゃなくて、いろんな人がただレッドカーペットを歩いている映像でした。パルムドールって聞いてからも、まだ歩いてました(笑)」とオチをつけると記者たちからも笑いが。審査委員長のケイト・ブランシェットなどから「彼女と同じ泣く演技をしたときは、真似したと思ってください」と賞賛されたことには「海外のスターは粋な褒め言葉を使うんだなと。日本人じゃ出てこない言葉だと思いました」と喜んだ。

【写真で見る】カンヌ受賞について話す安藤サクラ


撮影を振り返った安藤は「現場で生まれた家族の時間に寄り添うように監督は作品を撮っていた。あの家族と過ごした時間は私にとっても楽しい時間で、あたたかい温度として体に残っている」と話す。また、是枝監督については「(受賞を)運動会のかけっこで一等賞を獲ったような感覚でみんなと喜びを分かち合っている感じが、格好いいなって思いました」とにこやかな笑顔で語った。

血の繋がりのない家族を描いた本作。撮影中の母性についての質問に対しては「撮影中の私は、母性も母乳もダダ漏らしの状況で(笑)本能的に溢れ出てしまう母性と母乳に戸惑いながらの撮影でした」とコメントし、撮影中に内緒でスタジオの一番離れた部屋で授乳していたことを打ち明けた。出産後は仕事を控えようと思っていたが「この作品に出会って、このタイミングで信代と出会えてよかったと思う。産後間もない体であの役をやるっていうのは面白いなと」と穏やかな表情で話した。

是枝監督に早くお祝いの言葉を言いたいと明かす安藤サクラ


カンヌ受賞後、是枝監督にまだ会えていないという安藤は「嬉しい気持ちと感謝の気持ちを伝えたいと思って、どうやったらお祝いできるかと考えているんですけど、『おめでとう』を150%伝えるために体力をつけています」と話し、トロフィーにも「触りたいです!」と満面の笑み。「(公開時)久しぶりに監督にお会いできる。皆さんで監督を祝福しましょう!」と力強く呼びかけ、締めくくった。

映画「万引き家族」は6月8日(金)より全国ロードショー。

山根翼

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